【続編14】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】「Excel基本操作」をめぐって両者の意見が食い違う派遣社員Kさんのクレーム対応

【続編14】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】「Excel基本操作」をめぐって両者の意見が食い違う派遣社員Kさんのクレーム対応

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私の担当派遣社員としてD社でスタートしたばかりの30代男性の派遣社員Kさんですが、派遣先から「Excel基本操作はできると聞いていたのに全くできない!」というクレームがありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

 

対応経緯

派遣先R課長にフィードバック

当社で一日行った研修を通じて得たKさんへの私なりの理解と今後の見解をR課長に伝えたのでした。

要約すると「契約している業務内容の遂行に必要だとされていたスキルや経験はあることは確認した。問題はあくまで能動的か受動的かといった本人の働き方の問題だと考えているし、本人は能動的に頑張ると言っているんだから、今の契約期間中は何があっても働かせてもらう」というもの。

Kさんのスキルやパフォーマンスに対して不満を表明しているR課長からすれば受け入れ難いでしょうし、「ミスマッチは派遣会社の責任なんだから責任は取らないのか!?」くらいは思っているでしょう。

そういったR課長の考え感情としてはわかります。

「・・・そうですか。御社がおっしゃるのは『求められたOAスキルや経験はあるんだから、あとは仕事に必要なレクチャーは派遣先でしろ』って話ですよね?」

あからさまではないものの不満そうなR課長。

「・・・そうですね。お手数をおかけしてしまうことにはなるのですが・・・」

「Kに足りないところがあるのも事実なのですが、話を聞くに仕事の指示やレクチャーがお忙しい課長の合間を縫って行われるので、なかなか理解が追いつかないようです」

R課長からすれば「あとは仕事に必要なレクチャーは派遣先でしろ』って話ですよね?」という発言のニュアンスに私やKさんへの不満を乗せたのでしょうが、このタイミングで「そんなことはございません」というような、自らの立ち位置を落とす発言は避けました。

R課長が「お客様と業者」という関係性で無言の圧力をかけようとする気配を感じたからです。

そのような時はたいてい相手に都合の悪いことがあるわけで、私はあえてそのタイミングに相手の嫌がる話を持ち出すようにしています。

業者という弱い立場に甘んじて言いたいことが言えないような営業ではないということを示すこと、さらには「お客様と業者」の力関係に向かってしまった話の流れを本来の問題解決に軌道修正するためです。

営業として交渉ごとや調整ごとをしていると、最初に本当の着地点よりもずいぶん高め要求をしてきて、それを既成事実化し、交渉や調整の中で徐々に自分の望んでいるところまで誘導していくというタフネゴシエーターに出くわします。

そのような人たちの狙いは「自分の土俵に相手を引きずり込む」ということです。

有利な自分の土俵で戦うことで、効率よく勝利を得る。

R課長とのこのやり取りでも、「無言の圧力」という相手の土俵に乗らず、あくまでこちらの土俵に引き込まなければいけません。

「そうですか。たしかに彼には満足に仕事が教えられていないので、それは改善が必要ですね・・・」

前回の打ち合わせで、D社と当社の基本契約の中に「トラブルが起こった際は両者協議の上、誠意ある対応を行う」という文言があることや、派遣法が派遣先に対しても教育訓練の努力義務があることを伝えた伏線もあり、R課長も反論が難しいと判断したようです。

「はい。お忙しいR課長に手取り足取りお教え頂くというのは難しいと思うのですが、Kから話を聞く限り、今のままではKでなくとも今回と同じような状況になるのではないかと危惧しておりまして・・・」

少しへりくだりつつ、「改善がなければ人を入れ替えても同じことが起こるし、私は同じ理由で抗議するよ」ということを伝えます。

少し考えてからR課長が口を開きました。

「ただ、実際問題、Kさんに丁寧にレクチャーする時間を取れないんですよ・・・」

そろそろ本音が出てきたようです。

正直そんな話は知ったことではありません。そもそもの業務設計が甘いのです。

とはいえ、Kさんとの唯一の業務上の接点であるR課長の弱音をそのままにしておくこともできません。

「そうですね・・・そうなるとやはり他の社員様のお力をお借りするですとか、課長以外にKにかかわる方を増やしていただくしかないんでしょうか」

「Kもある程度、職場環境や御社での仕事の仕方に慣れることができれば以心伝心とまではいかないまでも臨機応変に仕事ができると思うんですよ」

「課長がKに任せたい業務のうち、他の社員の方でもやり方がわかるような仕事はあるんでしょうか?」

私はなかば思いつきで提案をしたのでした。

「うぅぅん、そうですね。みんな忙しいから難しいかもしれないけど、それしか方法はないのかな・・・Kさんには少なくとも契約期間内は仕事をしてもらわなきゃいけないし、ちょっと考えてみます」

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