【続編③】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】やたらに正義を振りかざす派遣社員Gさんのクレーム対応

【続編③】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】やたらに正義を振りかざす派遣社員Gさんのクレーム対応

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私の担当派遣社員としてK社で半年程度働いてくれている40代男性の派遣社員Gさんですが、「仕事の指示の仕方やオペレーション、職場の同僚との人間関係など、とにかく自分なりの正義を振りかざし、その度に仕事が止まってしまい困っている」という派遣先からクレームがありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

 

対応経緯

派遣社員Gさんへのヒアリング

派遣会社の営業担当は「労働力の仲介業」ですから、仲介業者らしく両者からきちんと言い分をききださなければなりません。

Gさんへのヒアリングはあくまで「ヒアリング」ですから、H課長やSVからの評価を決定事項のように伝えずに、「そのような評価に対してあなたはどう思うのか?」を吸い上げることが重要なのです。

Gさんへの良い評価のフィードバックですら「なぜそのような評価だったんかの根拠を教えてほしい」といった質問をしてくるGさんですから、ネガティブなフィードバックにはより注意が必要です。

「派遣先からの評価はGさんがコツコツ正確に仕事をしてくれる反面、一つ一つの業務を自分のものにするのに時間がかかると言うことでした」

私からのフィードバックにGさんが早速口を挟みます。

「それは先ほどの話と矛盾しませんか?他の新人に比べて仕事の覚えは良いってことなんですよね?」

Gさんは思いの外簡単な罠にかかりました。

相手に腹落ちさせるには、こちらが言いたいことの一部を代弁してもらうのが効果的です。

「そうなんです。Gさんは仕事の覚えが早いと言っているのに、仕事を覚えるのが遅いと言うのはいかにもおかしいので、私もH課長に質問しました」

「Gさんが一つ一つの仕事の意味合いを確認するのに、SVをはじめとした関係者を頻繁に巻き込むということが、Gさん自身の時間はもちろん周りの方々の時間も奪うことになり、合計すると時間がかかるという意味合いのようでした」

見る見るGさんの表情が曇り、話を遮って反論してきます。

「それはSVに仕事の質問をするなってことですか?」

物事を白か黒かで判断する人にありがちな切り返しです。

本当は「このような評価についてGさんはどう思われますか?」と続けたかったのですが、話を遮られたこともあり、一旦体勢を立て直しましょう。

この手の切り返しがあったときに私は必ずこのように質問を質問で返します。

「Gさんは本当にそう思われるのですか?」

物事をすべて白黒はっきりするなんて現実社会では到底できない芸当です。物事はバランスなのです。

Gさんが発したような「白黒はっきりしないなら何もできない、なにもしない」というような発言はとても子供染みていますし、自責を他責にする逃げ口上でしかありません。

あえて、あなたはどう思うのですか?と聞き返すことで、Gさんのスタンスの確認ができるのです。

「質問に質問で返されても・・・」

少し皮肉めいた笑みを浮かべながら答えるGさん。私は逃すつもりはありません。

「Gさんのおっしゃった質問は極論ですし、物事の解決に向けた質問ではないと感じました。」

「なので派遣先からの評価に対してGさんの考えや実際の出来事がどうだったのかな?と思って聞き返したんです」

「さっきも申し上げた通り、私はH課長の話をすべて間に受けてませんし、そもそもH課長のGさんへの評価はSVをはじめとした又聞きです」

「私は間に立つ立場なので、どちらの意見も聞いた上で、自分なりになにが正しいか判断をした上で対応をしたいと思っています」

「ですので、この場は派遣先からのフィードバックをきっかけとしたGさんへのヒアリングの場であって、なにか結果を伝えるために設けている場ではないと理解してもらえませんか?」

ずいぶん理屈っぽい受け答えになりました。

世の中いろいろな人がいますから、アプローチの仕方は都度相手に合わせているつもりです。

女性には共感の姿勢が大前提になりますし、男性は結論から伝えるように気をつけています。

ただ話を聞いて欲しいだけの人もいますし、問題解決を望んでいて「ただ話を聞いていればいいんでしょ」といったこちらのスタンスに苛立つ人もいます。

理屈っぽい人には理路整然と理屈で返していったほうが良いと判断しての話法でしたが、Gさんはどのように受け止めたでしょうか?

「理解です」

稀に理屈っぽい人が口にするこの返答。

「つまり、派遣先はそう言っているけどあなたはどう思うかって言いたいんですね?」

だったら先に言ってよと言わんばかりのGさん。そもそもその話を途中で遮ったのはあなたです。

「おっしゃる通りです。なにか心当たりはありますか?」

「長らく派遣会社の営業担当をやっていますが、仕事を覚えるのが早いのに、一つ一つの仕事を覚えるのに時間がかかるなんて不思議なことを言われたのは初めてです」

さて、派遣先の受け止めと比べて、Gさんの現状の解釈はどのようなものなのでしょうか?

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