【続編⑧】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】やたらに正義を振りかざす派遣社員Gさんのクレーム対応

【続編⑧】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】やたらに正義を振りかざす派遣社員Gさんのクレーム対応

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私の担当派遣社員としてK社で半年程度働いてくれている40代男性の派遣社員Gさんですが、「仕事の指示の仕方やオペレーション、職場の同僚との人間関係など、とにかく自分なりの正義を振りかざし、その度に仕事が止まってしまい困っている」という派遣先からクレームがありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

 

対応経緯

派遣社員Gさんとの2度目の面談

私からの呼び出しに「仕事中なんで手短にしてほしいのですが」とつっけんどんな口調のGさん。

さて、GさんがH課長に直訴したという「派遣会社を変えてほしい」という件ですが、どのように本人にアプローチをしていきましょうか?

きっとGさんもその件で呼び出されたに違いないと思っていることでしょう。

しかしここはあえてそれには触れずに話を進めていきましょう。理由はいくつかあるのです。

  • Gさんは当社との契約期間内に派遣会社を変えてほしいとまでは意見を表明しておらず、不用意に「派遣先に派遣会社を変えてほしいとお願いしたそうですがどういうつもりですか?」と詰め寄れば、「そういったお願いをしたかどうかは別として、なんの権利で契約期間以降まで私を拘束することができるんですか!?」などと反論をされる懸念がある
  • 「派遣会社を変えたい」というお願いはGさんが派遣先に行ったものであり、その情報が私に漏れてしまっていること自体を問題にされかねない
  • H課長は「派遣会社が変わるのであれば契約しない」としているし、Gさんの「自分がふに落ちないと必要以上にまわりを巻き込み手を止める」という働き方に関する問題解決は済んでおらず、解決がなければそもそも当社の派遣社員のままであっても契約の更新はされない

どちらにしてもGさんとはもう一度話をする必要がありましたし、派遣先に直談判をした直後の面談とあれば、「移籍の話を根掘り葉掘りきかけるに違いない」と身構えているでしょうから隙を突くには好都合だったのです。

「すみませんね、お忙しいところお呼び立てして」

「この前は派遣先からGさんへの評価についてフィードバックをさせて頂く中で見解の相違があったままで話が終わってしまっていたので気になってお話をしたいと思っていたんです」

Gさんは少し怪訝な顔をしています。

私の話の切り出しだと、話の本題が移籍の直談判の件なのか、この前の物別れに終わった話の続きなのか判断がつかなかったのでしょう。

「なにをおっしゃりたいのかよく分からないんですが・・・」

探り探りといった表情でGさんが口を開きます。

「いえね、この前の派遣先からのネガティブなフィードバックの件で、Gさんは『全くそんなことはない』という答えであったと理解はしたんですが、派遣先はそう思っていないわけで、このままだと両者なんの歩み寄りもできないんですよ」

「実はまだそのGさんの見解を派遣先には伝えてないんです・・・」

私はわざと少し余韻を持たせます。

「なんでですか?」

Gさんがのってきました。

「派遣先からしたら今後の就業にあたってGさんに改善してほしいと思っている点を、なんの歩み寄りなく全否定されたことになるじゃないですか」

「そうなると今後の契約継続に懸念が出てくると思っているんですよ。なのでもう一度Gさんと話し合うことで何か妥協点が見つからないかなと思って」

Gさんは私が話し終わってもしばらく考え込んでいます。

おそらく私からの話を「このままだと契約更新はないよ」と受け止めたでしょう。そしてH課長に直談判したときに言われた「派遣会社が変わるなら契約しない」というセリフ。

私とH課長がどこまでつながっているのかも疑心暗鬼になっているに違いありません。

「その私への評価というのは本当に正しいんですか?」

ん?なにを言い出すのでしょうか?

「私はきちんと仕事してますし、仕事が正確で覚えが早いという評価なんですよね?それは私自身、職場で働く中で感じていますし」

「あなたの言っていた私が『まわりの人たちの時間を奪う』って評価は私を辞めさせるための嘘なんじゃないですか?」

思ってもみない方向から矢が飛んできました。

本気でそう思っているのでしょうか?それとも私を揺さぶるためのハッタリでしょうか?

「私がなんのためにわざわざ嘘をついてまでGさんを辞めさせる必要があるんですか?」

「そんなことは知りませんよ。あなたが私を陥れようとしているんですから」

「ただ、私はきちんと仕事をしているし、まわりの皆さんからも良い評価を頂いているのを実感しているんです。だとしたらあなたのいう話が間違っているとしか思えないじゃないですか」

・・・これではどうにも会話になりません。

私はすっかりGさんに嫌われてしまったようです。嫌われること自体はなんとも思いませんが、全く会話が成立しないのには閉口します。

「そんなことを言われても私も戸惑いますよ。私がそんな嘘をついてなんのメリットがあるっていうんですか?」

Gさんが少しニヤつきながら答えます。

「また質問に質問で返すんですね?」

「だいたい派遣なんて仕組みがおかしいんですよ。現場にいないあなたが私の仕事ぶりの良し悪しを評価するなんて」

「派遣先から言われたことをそのまま派遣社員に伝えるだけだったら誰だってできるし、いる意味あるんですか?」

どうやら本音が見え隠れし始めました。

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