【続編②】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】部長のお気に入り派遣社員Bさんのクレーム対応

【続編②】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】部長のお気に入り派遣社員Bさんのクレーム対応

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私の担当派遣社員としてA社に入社した30代女性の派遣社員Bさんですが、その仕事への取り組み方や業務態度について派遣先の現場担当者からクレームがありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

 

対応経緯

派遣先D課長の思惑は?

「あんたんとこのBだけど、あれはC部長とデキてるぞ」

腕組みをして、ふんぞり返りながら私を見下すように言い放ちます。

「えっ?今なんとおっしゃいましたか?」

にわかには信じがたいD課長の発言に思わず聞き返してしまいました。

「だぁかぁらぁ、C部長とBはできてるって言っているんだよ」

この課長、本気でそんなことを言っているのでしょうか?

「そ、そうですか・・・それは驚きました」

「D課長がそう思われるような事象があったんでしょうか?」

D課長はため息をつきながら答えます。

「職場での様子を見ていればわかるし、ウチの他の社員や噂好きの派遣の奴らもそう言っているよ」

「会社の近くのレストランで二人で食事をしていたのを見たって奴までいるよ」

「しっかし、なんで派遣の奴らっていうのはあんなに人の噂ばかりしてるんだろうなぁ。仕事しろっての」

派遣先の担当者と派遣社員の恋愛関係。今までそのような事案がなかったわけではありません。

ただ、そのこと自体が表沙汰になることはあまりなく、結果として派遣社員が契約途中で退職をすることになった問題解決をすることはあっても、恋愛関係自体が私の問題解決の範疇になることはありませんでした。

「C部長とBが知り合いだってことはあんたも知ってたんだろ?」

「ウチに来てからじゃなくて、たぶんもともとそういう関係だったみたいだぞ?」

「おたくはそれを知っていてウチにBを派遣したのか?」

矢継ぎ早に質問をぶつけてくるD課長に、戸惑いながらも返事を返します。

「・・・いえ、まさかC部長とBがそんな関係にあるとは思いもしませんでした・・・」

「BはC部長のお知り合いの奥さんと聞いてましたから・・・」

「御社にBを派遣させて頂いたのも、いわばたまたまマッチングしたからで特に狙ってそうしたわけでななかったんです」

「事実、C部長にBを御社に派遣するとご報告したのも契約締結の後でしたし・・・」

「C部長は直接Bが勤務させて頂く部署とはかかわりはないようですし・・・」

D課長は私の言葉に少しかぶせるように怒鳴り散らします。

「だからそれが甘いって言ってるんだよ!!」

「C部長とBが裏でつながってたに決まってるじゃないか!!」

「俺もおかしいと思ったんだよ。対して必要もないのに派遣を増やせって言われておたく限定で発注出せって言われてさ・・・」

「発注してすぐに候補を紹介してきたから、ずいぶん用意がいいなと思ってたんだ」

「それでフタを開けてみたら、まさか部長が不倫相手を自分の手もとに置くとはね・・・」

だんだん様子がわかってきました。

C部長は総務部長で、A社は総務部で派遣会社の取りまとめを行なっています。

普段は1つのポストを派遣会社数社に発注し競争をさせているのですが、C部長の働きかけなのか今回は当社限定で発注がされていたようです。

派遣会社側としては先方から言われなければ1社単独であることは分かりませんから、気にすることもありませんでした。

それにしてもD課長、私にそんなことまで話してしまっていいのでしょうか。

C部長とBの関係はまだ憶測の域を出ていませんし、そもそも事実だとすれば社内の醜聞です。

あまりの意外な展開に驚いてばかりの私でしたが、次第に冷静さを取り戻してきたのでした。

そもそも人材派遣とは派遣先の求める業務を、それを遂行できるだけのスキル経験を持った人材を派遣し遂行してさせるというサービスです。

いわば「労働力の仲介業」であり、派遣社員の労働力さえ提供できていれば契約上の瑕疵はありません。

今のところBさんの業務スキルについて指摘は受けておらず、そこに問題はないのでしょう。

C部長との不倫関係についても、あくまで噂であり、証拠があるわけでも、それによってなにか派遣先に迷惑をかけているわけでもないようです。

そもそもD課長のいう「C部長との不倫関係」を問題だとしたとして、どのようにBさんに対して問題解決を行えるというのでしょう。

Bさんへの問題解決をきっかけにC部長へと火種がとび、派遣先を巻き込むトラブルになる懸念も拭えません。

今の段階では「しばらく様子を見る」くらいの結論にしか辿り着けないのです。

私が頭の中で作戦を立てながらD課長の様子をうかがっていると、少し意地悪そうな顔をして口を開きます。

「おたくの会社でさぁ、なんとかしてすぐにBを辞めさせてくれないか?」

「俺からするとさぁ、いい迷惑なんだよ。上司と不倫してる派遣社員を派遣されるなんて。」

思った以上に直球なD課長の言い分に呆気に取られてしまいました。

交渉で大事なことは「相手の土俵に乗らない」ということです。

お客様と業者という上下関係の中で、業者である私がこちらの主張を通すことはもともと難しいことです。

D課長のような上下関係に強いこだわりのある人はそれをよく知っていて、初めから高めの要求をしてきます。

人材派遣のような仲介業では派遣先と派遣社員、さらには自分の会社の3つの利害を一致させなければいけませんから、交渉ごとはすなわち調整ごととなります。

つまりはなんとかして両者から妥協を引き出し、着地点を探るわけです。

高めの要求から多少の妥協をして、もともと期待していた要求に着地させる。

D課長はそんなことを考えているに違いありません。

私はコワモテのD課長を恐れて、この高めの要求という「土俵」に乗ってしまうと、先々に渡って一気に形成不利になってしまうのです。

さて、どのようにしてこの状況を切り抜けましょうか?

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