【続編③】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】部長のお気に入り派遣社員Bさんのクレーム対応

【続編③】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】部長のお気に入り派遣社員Bさんのクレーム対応

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私の担当派遣社員としてA社に入社した30代女性の派遣社員Bさんですが、その仕事への取り組み方や業務態度について派遣先の現場担当者からクレームがありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

 

対応経緯

派遣先D課長の本音は?

「おたくの会社でさぁ、なんとかしてすぐにBを辞めさせてくれないか?」

意地悪そうな表情で私に言い放ったのでした。

人材派遣というサービスの主旨である「マッチングした労働力の提供」は行えている中で、「C部長との不倫」という確証のない情報をもとにBさんを辞めさせることなどできるはずもありません。

交渉の基本は「相手の土俵に乗らないこと」です。

D課長のコワモテと怒声に押し負けて、ここで相手の土俵に乗るわけにはいかないのです。

「課長、ご質問なのですが、Bの仕事ぶりはいかがなんでしょうか?」

なんでそんなこと聞くんだとばかりの訝しけな表情で「あぁ、まぁ別に問題ないんじゃないの」と答えます。

「そうですか・・・そうなるとBをこの時点で辞めさせるというのはできないと思います」

私の言葉に見る見る眉間にシワが寄るD課長。色黒だからわかりませんが、きっと顔を紅潮させているに違いありません。

「あんた、なに言ってるんだ!!こっちは迷惑をこうむっているんだよ!!」

「職場の風紀を乱すような派遣を入れておいて居直るのか!?」

部屋中に響き渡るような大声でD課長が恫喝してきます。

私だけの考えかもしれませんが、営業は自らの感情を前面に置いてはいけません。

あたかも幽体離脱でもしたように、一歩後ろから冷静に自分と、交渉を相手を俯瞰してみるような落ち着きが必要なのです。

感情表現はあくまで交渉上の演出。

クレーム・トラブルが多い人材派遣の営業担当がいちいち怒ったり、落ち込んだり、悲しんでいたのではメンタルがもちません。

D課長の怒声は、その見た目も相まって結構な迫力です。新人の営業担当ではその迫力に押されて、必要のないことまで妥協してしまいそうです。

「課長、お言葉を返すようで恐縮ですが、C部長とBの不倫関係というのは確証がありません。仮にそうだったとしても不倫関係は両者の合意を前提としていますからBだけが悪いというものでもないと思うんです」

「課長のおっしゃる『職場の風紀が乱れる』というのも理解しているつもりなのですが、その理屈でいくとC部長も風紀を乱しているわけで、Bだけに不利な扱いをしたときに、のちのちC部長にも類が及んでくるんだと思います」

正面から反論をした私にD課長は怒声をあげます。

「屁理屈ばっかり言ってるんじゃない!!お前のとこが変な派遣を入れてくるからこんな問題が起きたんだろうが!!」

D課長が怒り狂うのを承知で正論で反論をしたのでした。

「業者には強硬な態度で無理を言えばなんとかなる」と思っているような担当者には、「正論を押し通して一歩もひかない」という手段をもって対抗するしかないのです。

つまりはお互いまわしの取り合いということ。

「・・・いゃ、そうは言っても課長、当社は狙ってBを御社に派遣したわけではありませんよ」

「当社単独で今回のご案件を頂いたと言うことも今知ったくらいですし・・・」

ヘコヘコ頭を下げて自分の言う通りに従うと思っていた私が反論をしてくるのに耐えられないのか、D課長の怒りはおさまりません。

「だから裏でC部長とBで示し合わせてたんだろ!?俺はC部長の不倫相手を部下として押し付けられていい迷惑だ!!」

そうです。要するにこれがD課長の本音なのです。

「不倫相手を知り合いの派遣会社を通して自分の手もとに置いて満足してるんだろうが、様子を察した部下たちからあれやこれや言われるのは中間管理職の俺。本当にいい迷惑だ」

D課長の言い分もわかります。

仕事に問題はなかったとしても、「社内のお偉いさんが派遣会社を通りして不倫相手を職場に呼び寄せた」なんて、みんなの格好の噂話のネタです。

どうしても職場はざわつきますし、中には上司であるD課長の事の真相を聞いてくるようなお調子者もいるのかもしれません。

人材の供給源である派遣会社の選択権を総務部に奪われ、言われたままに派遣社員を受け入れたら、その総務部のトップの不倫相手がやってきたなんてD課長でなくとも受け入れ難いことです。

しかしそれはそちらの事情。私には関係のないことです。

確かにC部長から紹介された人物を、C部長の勤務する会社に派遣しなくても良かったかもしれません。しかしそれはたまたまであって、あえてそうしたわけでもありません。

「C部長とBさんが裏で示し合わせていた」なんて裏の事情は突きとめようがありませんし、当社はBさんと残り2ヶ月間の雇用契約を結んでしまっているのです。

「D課長、おっしゃることは理解しておりますし、ご迷惑がかかっていることも承知をしているのですが、契約もありますのですぐに辞めさせるということは難しいです」

「それに次の契約を更新しないということにしても、本人に説明できるきちんとした理由を今から準備をしておかなければいけません」

「もし職場で『BがC部長とできている』というような噂が広まって、本人が居づらくなったところで『契約は更新しない』と伝えたら、『ありもしない噂話で辞めさせられた』とか『職場全体からハラスメントを受けた』とか言われかねませんから・・・」

私からの懸念にさらに顔を曇らせるD課長。さてどのようにこの問題を解決していきましょうか?

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