【続編④】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】部長のお気に入り派遣社員Bさんのクレーム対応

【続編④】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】部長のお気に入り派遣社員Bさんのクレーム対応

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私の担当派遣社員としてA社に入社した30代女性の派遣社員Bさんですが、その仕事への取り組み方や業務態度について派遣先の現場担当者からクレームがありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

 

対応経緯

派遣先D課長が冷静さを取り戻す

「人手が足りなくで派遣社員を頼んだのに、業者の集約をしている総務部に派遣会社の選択権を奪われた上に、派遣されてきたのは総務部長の不倫相手。なんで俺がそんな目に遭わなきゃいけないんだ!!」という本音を見せながら、「すぐにBを辞めさせろ!!」と怒声をあげながら恫喝してくるD課長。

ただ裏の事情は私の預かり知らぬところです。

即日に辞めさせることはもちろん、次回の契約を更新しないにしても、Bさんにきちんとした理由が説明できなければ、「ありもしない噂話で辞めさせられた」とか「職場全体からハラスメントを受けた」といった切り返しで逆にD課長が窮地に立つことになりますよと脅し返したのでした。

お客様と業者という関係の中では、絶対的な上下関係があります。

人材派遣という三者間の契約では、派遣会社の営業担当は派遣社員から「職場の問題を解決してほしい」とか「時給を上げてほしい」などの要望を受けますが、いくら建前を重ねたところで「お金を払ってくれる派遣先がお客様」であり、派遣社員の不平不満や要望をそのままに伝えることなどできないのです。

そこで営業担当が工夫するのは伝え方。

例えば「時給を上げることによって、業務範囲を広げられますし、モチベーションも大きく上がることが期待できます」というような派遣先とってもメリットと感じさせるようにする伝え方、または「このままの状態ですと本人はハラスメントを受けたとして訴え出る可能性があります」といった派遣先として実行しなければリスクという伝え方など、こちらからのお仕着せでなく、相手が自発的に選択をできるような伝え方が大事なのです。

威圧的に恫喝をしてくるD課長のような相手であっても、やられっぱなしでは話になりません。

へつらいつつもこちらから情報を発信して、自発的に選択を迫るようなアプローチが必要なのです。

「これだけ迷惑をこうむっているのに、すぐに辞めさせないばかりかハラスメントだぁ!?」

D課長は私を睨みつけながらブツブツと呟いています。が、先程までと言葉の勢いに違いを感じるのです。

もしかしたらBさんに対して性急な対応をすることで、さらに別の大きなリスクを抱えることに理解を示したのかもしれません。

「はい、C部長とBの関係をそれぞれが公然と自白するとは思えませんし、証拠を掴むことも難しいとおもいます。そもそもプライバシーの侵害ということにもつながるとおもいますし・・・」

「D課長のお話ですと、早晩B本人のもとに『C部長とBはできている』という噂話が耳に入ると思うんです。周りの人たちの不審なそぶりにも気がつくでしょう」

「C部長との不適切な関係があるという事実を本人に対して突きつけられない以上、Bがそのような噂や周りの人達からの扱いを『ハラスメント被害』として訴え出る可能性は高いと思います」

「D課長になんの落ち度もないことは十分わかっているんですが、こういうケースでは一番最悪のケースを考えて対応しませんと、揉めたときの責任は全部D課長に降りかかりません・・・」

ずいぶんと表情を落ち着けて考え込むD課長。

先程までの怒気は消え失せ、冷静に物事を考えているように見受けられます。

「・・・アンタはどうしたらいいと考えてるんだ?」

冷静になっても「アンタ」呼ばわり。「お前」よりはだいぶ扱いが良くなったと思えばいいのでしょうか。

「そうですね。C部長との関係は本人から言われでもしない限り触れない方がいいと思います」

「D課長が社内で皆様からその件で聞かれるようなことがあっても、知らぬ存ぜぬが一番良いかと・・・」

「現在の契約期間はそのまま就業させて頂くしかないですが、次の契約を更新しないとする理由を用意しておかないといけません」

「例えば業務スキルが要望を満たしていなかったとか、予算の都合で派遣のポストを減らすことになったとか・・・」

「まわりの社員や派遣社員の皆様からしても不自然でない理由がいいと思います。Bと他のメンバーが仲良くなって情報が筒抜けになることは予想されますので」

「理由かぁ・・・」

目線を斜め上に向けて考え込むD課長。

「はい、その理由は今この場で無理に決めなくてもいいと思いますので、少しお考えいただければ」

「私は私で近日にBと面談をして仕事の様子を聞いてみたいと思います」

「もしかしたらすでに職場での噂話を察知している可能性もありますし」

「私は何も知らないていで対応をしていきます」

「後々トラブルになったことを考えて、『私はBさんの味方です』というスタンスで臨みますので、そこだけご理解を頂けますか?」

打ち合わせが始まった当初から比べるとすっかり毒気の抜けたD課長。

C部長と不倫関係にあるというBさんを押しつけられた被害者という立場ながら、さらに大きなリスクがあることを自覚し途方に暮れているのでしょうか。

さて、散々苦労しましたがD課長とは大枠の話がつきました。次はBさんとあって話を聞いてみなければいけません。

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