【続編⑧】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】部長のお気に入り派遣社員Bさんのクレーム対応

【続編⑧】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】部長のお気に入り派遣社員Bさんのクレーム対応

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私の担当派遣社員としてA社に入社した30代女性の派遣社員Bさんですが、その仕事への取り組み方や業務態度について派遣先の現場担当者からクレームがありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

対応経緯

派遣社員Bさんからの連絡

Bさんと面談をし、その状況をD課長に共有してから1週間が経ったお昼、Bさんから電話がありました。

「少しご相談があるんですが、近いうちにお時間を頂けませんか?」

派遣会社の営業担当は「ご相談」という単語に過敏に反応します。派遣先からの連絡にしても派遣社員からにしても、「ご相談がある」と言われて良い相談であったことがないからです。

「わかりました。今日の午後にお伺いしても大丈夫ですか?」

善は急げと言いますが、悪い出来事こそ早く対応するに越したことはありません。

時間をあけても事態が好転することはなく、むしろ悪化するケースのほうが多いからです。

午後に面談の約束をして電話を切ります。

派遣先A社で待ち受けていたのは・・・

Bさんとの電話が終わるとすぐに会社を出てA社へ向かいます。現地までは電車を乗り継いで30分程度。

さて、どのような状況が待ち受けているのでしょうか?

想定する最悪のケースは「C部長とBさんの不倫関係」という噂がBさんの耳に入り、そのような根拠のない理由を元に職場で陰口を叩かれたり、仕事に支障が出るほど人間関係に距離を置かれたりとしたことを不服として、「ハラスメント」や「職場での集団的なイジメ」という表現をもって何かしらの方法で訴え出るといったことです。

ただ、このような訴えは当社よりも派遣先であるA社に対して矛先が向いていると言え、当社は直接的な利害があるわけではありません。

ただ、往々にして雇用主である派遣会社が派遣先から火消しを求められることが多く、本人と直接の利害関係がないがために、より問題解決が難しくなるのです。

すこし不安な気分になりながらA社に着き、Bさんの携帯電話に電話をします。

「お手数ですが奥の会議室までお越しいただけますか?」A社のエントランス奥にある会議室に来るように促され、ドアをノックします。

「あぁ、すみません。急にご足労を頂いて」

会議室のドアを開けて顔を出したのはC部長です。

なぜ彼がここに?

驚きと疑いの表情の私ににC部長は「まぁ、とりあえず部屋に入ってもらえますか?」と言葉をかけます。

目の前の会議卓にはC部長とBさんが並んで座っています。いったいなぜこんなメンツになっているのでしょうか?

所在ない思いのまま私は口を開きます。

「C部長お久しぶりです。先日は懇親の機会を頂いてありがとうございました・・・あの、今日はBさん宛にお伺いしたのですが・・・」

数ヶ月前にC部長から誘って頂き、飲みに行ったことのお礼を挟みつつ、C部長とBさんの二人が揃ってこの場にいることの説明を促します。

「いやぁ、急にすみませんね。私も同席しちゃって」

「実はBさんに頼んであなたを呼んでもらったんですよ」

少しいたずらっぽい表情をしながらC部長が説明をしはじめます。

「実は少し前にBさんから相談を受けていたんだけど、彼女の職場で私とBさんがよろしくない関係だっていう噂があってね・・・」

「そんな根も歯もない噂が広まって、職場の皆から距離を取られるし、陰口を言われているみたいだし、とにかく仕事がしづらいって相談でね」

「私とBさんはそんな関係ではないわけだし、そんな噂話は放っていけばいいって言っていたんだけど・・・」

「昨日の帰り際に噂好きな女性社員からついに面と向かって『C部長とはどうなの?うまくいっているの?』なんて聞かれたみたいなんですよ」

「これは・・・ちょっとそのままにはできないなって思ってね。私が彼女をウチに呼び寄せたわけじゃないけど、御社に派遣社員として紹介した責任はあるし・・・」

ここまで話してC部長は一呼吸おいたのでした。

C部長とBさんが一緒にここにいる理由はなんとなくわかりました。

私と話をする前に二人でなんらかの話し合いをして、その結果を私に伝えようというのでしょう。

しかしこのメンツでここにいることを他の社員に見られたらますます疑惑が深まるばかりなのではないでしょうか。

悪事の片棒を担いでいるような気分になって、ますます腰が落ち着きません。

「・・・そうですか、驚きました。色々と・・・」

「Bさんとの打ち合わせのはずが、C部長がいらっしゃることもそうですし、職場でそのような噂話が広まっているということも」

「C部長のおっしゃる『よろしくない関係』というのは、いわゆる男女の関係といったようなことですよね・・・」

C部長は少し目線を逸らしつつも相槌で答えます。

そして私はBさんの方を向いて語りかけたのでした。

「先日Bさんのおっしゃっていた職場の人間関係や仕事のやりづらさというのは、そのような噂話が原因だったんですね。すみません、私が気付いて差し上げられなくて・・・」

D課長から聞かされていることは知らないことにしなければなりませんから、一通り驚いておかなければいけません。

「それでわざわざこのメンバーでお時間を頂戴したというのはどのようなお話でしょうか?」

私からの問いかけにC部長が口を開きました。

「実はBさんを別の職場に異動させたいんですよ」

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