【続編⑨】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】部長のお気に入り派遣社員Bさんのクレーム対応

【続編⑨】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】部長のお気に入り派遣社員Bさんのクレーム対応

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私の担当派遣社員としてA社に入社した30代女性の派遣社員Bさんですが、その仕事への取り組み方や業務態度について派遣先の現場担当者からクレームがありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

 

対応経緯

派遣先C部長からの申し出の真意は?

Bさんに「ご相談がある」と言われてA社に赴いてみたら会議室で待ち受けていたのはC部長とBさんの二人。

コソコソと会議室に促され、話始めたC部長は「実はBさんを別の職場に異動させたいんですよ」と思いもよらないセリフを口にしたのでした。

「部長、その異動というのはBさんを別の派遣先に派遣するという意味でしょうか?それとも御社内で別の部署に派遣先を変えるという意味ですか?」

派遣社員は派遣会社との有期雇用契約に基づいて派遣先に派遣されています。

「異動」という単語は自社の社員に対して行われることですから、本来派遣先が派遣社員に対して使う単語ではありません。

仮にC部長が「Bさんを別の派遣先に派遣してほしい」という意味合いで「異動」という単語を使ったのであれば、「Bさんがいることで社内の揉め事になってしまうので、どこか他の派遣先に連れて行ってくれ」という厄介払いということになります。

「Bさんの派遣先の部署をA社内の別の部署に変えてほしい」という意味合いであれば、Bさん本人に異論がなければ実務上支障はないにせよ、派遣法が禁じる「特定行為」にあたってしまい、これもあまり都合の良い話ではありません。

「あぁ、ごめん。ウチの社内の別の部署に移ってほしいってことですよ」

「本当ならこんな話、Bさんを交えてすることではないのはわかっているんだけど、もともと知り合いでもあるし、これ以上不快な思いをさせるのも申し訳ないしね」

この場に派遣先と派遣社員の両者が同席しているという不自然な状況の説明としては少々釈然としませんが、C部長の言いたいことはわかりました。

「そうですか。かしこまりました」

「ただ、部長、特定行為という話もありますし、私がBさんを目の前にしてこの場でご返答をすることはできません。釈迦に説法のような話で恐縮なのですが・・・」

C部長は私の言いたいことを理解してくれたようで、「その辺はわかっていますよ。」

それにしてもC部長はBさん分の派遣契約の「派遣先責任者」としてお名前を頂いているとはいえ、Bさんの直接の指揮命令者ではありません。

指揮命令者であるD課長はこの件を承知しているのでしょうか。私が口を挟むことではないのかもしれませんが、後々の火種になりそうです。

「ところでBさんはD課長の配下で就業をさせて頂いていますが、この配置を変えるという件はD課長はご存知なんでしょうか?」

するとC部長は一転これまで見たこともない険しい表情で答えます。

「・・・それは御社が気にすることではないですから。私の方でやっておきますよ」

眉間に少ししわを寄せて話すC部長。何か裏がありそうです。

商談を終え、今後の対策を思案する

C部長とBさんが同席した会議室から身を隠すように抜け出したあと、オフィスへの帰路で物思いにふけるのでした。

  • D課長の言っていた「C部長とBさんの不倫関係」が社内の噂話になるに至ったエピソードを聞く限り、二人が不適切な関係にあることはある程度の根拠があるものだということがわかった
  • 今日の打ち合わせでC部長とBさんが同席したことで、私は二人が不倫関係にあることに確信を深めた
  • 若くしてとんとん拍子で出世をしているC部長は全てにおいて手堅くそつのない言動をするものと思っていたが、女性関係に関しては脇が甘い人物であるようだ
  • 話ぶりからC部長とD課長は関係が良くないようで、今後のBさんの職場の変更を行う中で禍根となりそうだ

ここにきてずいぶん話がややこしくなってきてしまいました。

先方の社内のこととはいえ、Bさんを他の部署に移すことでD課長とのハレーションが予見されますし、そもそも部署を変えたところで「C部長とBさんの不倫関係」という噂話が払拭されると思えません。

C部長の思惑はもちろんのこと、契約上当社と雇用関係にあるBさんも私に対して全く胸襟を開いておらず、その思いを推し量ることができないのです。

つまり私は自分のコントロールのできない事柄に振り回されており、手の届かないところで予想もしないトラブルに巻き込まれる可能性があるのです。

A社との不確かな契約関係と、それをもとにしたBさんとの雇用契約はリスクでしかないのです。

道すがら思案を重ねつつ、私が出した答えは次のようなものでした。

「派遣先A社や派遣社員Bさんの思惑は別として、当社としてA社との派遣契約、またBさんとの雇用契約は現契約限りとする」

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