【続編⑩】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】部長のお気に入り派遣社員Bさんのクレーム対応

【続編⑩】【派遣会社営業担当のクレー対応報告】部長のお気に入り派遣社員Bさんのクレーム対応

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私の担当派遣社員としてA社に入社した30代女性の派遣社員Bさんですが、その仕事への取り組み方や業務態度について派遣先の現場担当者からクレームがありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

 

対応経緯

商談を終え、今後の対策を思案する

BさんをどこかのタイミングでA社内の他の部署に移そうというC部長。

色々と情報の外堀が埋まっていく中で「C部長とBさんの不倫関係」への疑いは確信に近くなっています。

二人の不適切な関係が続く限り、今の部署でも、また新しく異動させるという部署でも、職場のメンバーからのBさんへの陰口やイジメのようなことは続くことでしょう。

これまで良くして頂いたとはいえ、この件では思惑の見えないC部長と、C部長の言いなりで私にまったく胸襟を開いてくれないBさん。

C部長はBさんを社内で異動させると簡単に言いますが、現在の就業部署であるD課長の反応も気になります。

つまりは全てが私のコントロール外なのです。

そこで私はこう決めたのでした。

「派遣先A社や派遣社員Bさんの思惑は別として、当社としてA社との派遣契約、またBさんとの雇用契約は現契約限りとする」

BさんをA社に派遣している限り、なんらかのトラブルは常につきまとうからです。

派遣先A社と当社の派遣契約(商契約)は2ヶ月後までで終了します。Bさんと当社の雇用契約も同じく2ヶ月後まで。

A社に対しては契約期間内まで求められた人材を派遣していれば契約を履行していることとなり、もしBさんを他の部署に移すということになれば、一旦現行の契約を破棄し、新たに契約を結ぶこととなります。

つまりはBさんを他の部署に移すタイミングで契約を見直す機会が生まれるのです。

Bさんと当社の雇用契約はどうでしょう。

人材派遣の雇用契約は派遣先や業務内容を特定して結ばれますが、当社とBさんの雇用契約ですから派遣先の部署が変わっても、もしくは派遣先自体が変わったとしても雇用契約期間はそのまま引き継がれます。

つまりBさんとの雇用契約においては現在の有期雇用契約満了まで雇用主としての責任があるということです。

私の目論見は次のようなことになります。

  • C部長からBさんの部署移動での派遣契約の結び直しの打診があったときに「新たな契約はお受けできない」ことを伝える
  • 現行の雇用契約満了まで雇用主としての責任があるBさんにはA社以外の他の派遣先を紹介し、就業を継続してもらう
  • 仮にBさんが派遣会社を変えてでもA社で就業を続けたいという申し出があった場合は、自己都合退職として受理し、A社での就業継続を止めはしない

問題はC部長に「新たな契約はお受けできない」という理由です。

まさか「C部長とBさんが不倫関係にあるから、これを機に契約をお受けしない」などとは言えるはずもありません。

派遣先C部長から契約変更の打診

それから1週間後、あらためてC部長から連絡がありA社に訪問します。

会議室に促され、打ち合わせが始まります。今回はC部長一人のようです。

「先日お話をさせてもらったBさんの件なんだけども」

「色々考えたんだけど私の配下におこうと思うんだ。もともとBさんは私の知り合いであなたの会社に紹介したのをきっかけに当社に来てもらったっていう背景もあるし」

C部長は機嫌良さそうに微笑みながら話しています。

「C部長とBさんの不倫関係」が社内の噂になり、いまいるD課長の部署で仕事がやりづらい状況になっているにもかかわらず、当の本人たちが同じ部署で働くことになるなんていったい何を考えているんでしょうか?

A社にはいくつかの部署に当社の派遣社員が働いているのです。

「キーマンのC部長の言いなりに不倫相手を派遣する派遣会社」なんて風評が流れたら、その人たちも不快な思いをするに違いありません。

「C部長、大変申し訳ないんですが、Bを部長の部署へ移すというのは当社では難しいと思っています」

私からの言葉にC部長の顔色が曇ります。

「・・・どうしてですか?何か問題でも?」

「はい、C部長の部署にBを移すということが派遣法で禁止されている特定行為に当たると思うからです」

「いまのD課長の部署と全く違う部署になりますし、業務内容も変わりますから、現契約を一度解消して、新たに契約を結び直すということになると思っています」

「新たな契約なのに、すでにBが就業することが決まっっているということがご存じのとおり特定行為に当たると考えます」

「本当でしたらこんな建前めいた話はあまりしないのですが、今回御社にBを派遣させて頂くにあたって、BがC部長からご紹介を頂いた人物であったということもあって、すでに御社内でも特定行為と受け止められている向きもあるようですし・・・」

「今回重ねての動きとなると、例えばBのことをよく思わない人物が然るべきところにリークするというようなことも懸念されますから・・・下手をすると御社にも影響が及びますし」

C部長は「うぅぅん」とうなりながら、少し間を置いて口を開きます。

「・・・ちょっと考えすぎじゃないですか?そこまで慎重にならなくても」

少し迷いを帯びながら言葉を返すC部長。もう一押しでこちらの思惑通りに話を進められそうです。

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