【続編⑧】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】仕事ができすぎる派遣社員Tさんが気に食わない派遣先担当者B課長からのクレーム対応

【続編⑧】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】仕事ができすぎる派遣社員Tさんが気に食わない派遣先担当者B課長からのクレーム対応

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私の担当派遣社員としてD社で就業を開始した30代女性の派遣社員Tさんは、非常に優秀で前向きかつ自発的に仕事に取り組み、就業開始早々ながら業務改善や業務効率化では社員以上の成果をあげる人物。

本来であれば派遣先からその働きへの評価や称賛があって然るべきですが、指揮命令者であるB課長はなぜか正しく評価をしてくれず、関係は悪くなるばかりです。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

 

対応経緯

派遣先B課長との打ち合わせ

「・・・それはどういう意味ですか?」

当社の派遣社員であるTさんの過剰な前向きさについて営業担当なりに懸念を感じると伝えると、B課長は少し前のめりになって発言の意味を問いただしてきます。

「いえ、私の考えすぎでしたら申し訳ないんですが、私との会話の中でも頻繁に発せられる『業務改善』や『業務効率化』といった彼女の前向きさが、行きすぎた言動になって皆様にご迷惑をお掛けしていないかなと心配したんです・・・」

私が話し終えるのを見計らったようにB課長が重ねて質問をしてきます。

「それはTさんがなにか具体的なことを言っていたんですか?」

B課長はおそらく自分とTさんとの言い争いについて、彼女が私にどのように説明をしているのかを気にしているのでしょう。

その件については直接Tさんに聞いた話ではありませんし、いったんとボケることにしましょう。

「いえ、具体的な出来事の話はありませんでした」

「ただ私の印象として、就業開始から数ヶ月で改善とか効率化とかいうことを職場で声高に主張していたとしたら少し踏み込みすぎのように感じますし、いままでの仕事を否定されるようなものですから、周りの皆さんもいい気持ちはしないだろうなと思いまして・・・」

「特にそちらは派遣社員の多い職場ですから、仕事の進め方や業務内容の変更に敏感でしょうから、改善や効率化が必要だとしても慎重に対応しなければならないでしょうし・・・」

B課長は少し考えてから口を開きます。

「・・・そうなんですよ。Tさんには少し困ってまして・・・」

「スキルや経験が優れているからウチに来て欲しいと思ったんですが、口を開けば『前の会社では』とか『そのやり方は非効率』とか言い始めるので、みんな一緒に働いていていい気分がしないんですよ」

「しかも言っていることがいちいち的を得ていて、スキルや経験的な裏付けがあるもんだから、誰も反論ができない・・・」

「本人も悪気があって言っているわけじゃないみたいなんですが、悪気がなければなんでも言っていいわけじゃないので、今では職場ですっかり浮いた存在になってしまっていますよ」

本来中立であるべき派遣会社の営業担当ですが、相手の本音を引き出すには、やはりそれぞれの相手の想いに寄り添うような話法が必要です。

とはいえ、Tさんは当社が派遣した派遣社員、私がその人物を悪く言うことがあれば「なぜそんな悪い評価の人物を派遣したのだ」といった反論にも繋がってしまいます。

そこで工夫すべきが伝え方なのです。

B課長に対する投げかけは「Tのこういった言動が良くないと思う」といった批判ではなく、「Tのこういった言動が、私の経験上、周りの皆様から不評を買うことになるのでないかと懸念している」と伝えます。

このような伝え方によって、相手に誤解を与えることなく、伝えるべきを伝え、相手の考えも聞き出すきっかけを作ることができるのです。

さらには「そういった懸念を払拭するために、まずは派遣先の担当者であるあなた様に状況をおうかがいし、状況によって本人への指導をしようと考えていますよ」というニュアンスまで重ねていくことによって、営業担当としての役割を果たそうとしているということをアピールできるのです。

それにしても先程のB課長の発言で気になる点がありました。

「みんな一緒に働いていていい気分がしない」の「みんな」というところです。

日々問題解決を行う中で、トラブルの発端になっている人物がよく口にする「みんなそう言っている」という自らの発言に対する権威付け。

私は相手に「みんな」と言われたときには「具体的に誰がそう言っているのですか?」と問い返すことにしています。

その結果、たいていの場合発言は修正され「みんながそう言っているに違いない」と、どんどん根拠が怪しくなってくのです。

今回のケースではB課長が根拠のない主張をしているわけではありませんから、「みんな」の論拠を問いただすことが目的ではなく、先ほどB課長が言ったTさんに対する感情が、B課長個人のものなのか、職場のメンバーの感情を代弁しているものなのか、はたまたB課長含めた職場全員の感情であるのかを確認する必要があるのです。

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