【続編14】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】仕事ができすぎる派遣社員Tさんが気に食わない派遣先担当者B課長からのクレーム対応

【続編14】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】仕事ができすぎる派遣社員Tさんが気に食わない派遣先担当者B課長からのクレーム対応

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私の担当派遣社員としてD社で就業を開始した30代女性の派遣社員Tさんは、非常に優秀で前向きかつ自発的に仕事に取り組み、就業開始早々ながら業務改善や業務効率化では社員以上の成果をあげる人物。

本来であれば派遣先からその働きへの評価や称賛があって然るべきですが、指揮命令者であるB課長はなぜか正しく評価をしてくれず、関係は悪くなるばかりです。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

 

対応経緯

「効率の悪い仕事の仕方をしている人たちに合わせろだなんて、辞めろって言っているのと一緒です!」というTさん。

言いたいことは分からなくはありませんが、これまでのTさんとのやり取りの中で感じていることがあります。

それはTさんが「自分より仕事ができない、スキルが低い人には何を言っても、何をしてもいいと思っているのでないか?」ということ、さらには「派遣は差別されるいるという割には、当の本人が一番差別意識が強いのではないか?」ということです。

たまにしか会わない私が感じるくらいですから、日々職場を共にする同僚の皆さんがそれに気がつかないはずがありません。

頼まれもしないのに先輩の派遣社員にOAを教えたり、入ったばかりなのにB課長に業務改善を直談判したりと、日々のTさんの言動に苛立ちを覚える人も多かったに違いありません。

ただ、私の感じてる違和感や、そこから想像するTさんへの職場の皆さんからの評価を伝えたところで、Tさんが素直に自らを振り返ることは期待し難く、火に油を注ぐだけでしょう。

長年派遣会社の営業担当をやってきて、このような場面でとてもやるせなさを感じます。

派遣先と派遣社員の間に立って問題解決を行う立場として両者からヒアリングを行い、最も早く問題解決のできる方法を探ります。

第三者的に両者の見解を聞くわけですから、両者にどのような問題点があるのかは冷静に判断をすることができるのです。

積極的かつ主体的、スキルフルなTさんはとても良い人材だと思います。

ただ、自分のスキルや経験を理解し最大限に活かしてくれる理解ある職場でないと彼女の持ち味が活きない。

もう少し周りに配慮をする余裕や、人の持ち味は様々であるという寄り添う姿勢があれば評価は正反対のものだったでしょう。

つまり、派遣会社の営業担当は根本的な問題解決に至る解を持っていながら、派遣先には取引上ギクシャクすることを恐れて、派遣社員に対しては労務トラブルが悪化することを恐れて伝えることができないのです。

「なんでうちの職場は派遣社員がすぐ辞めるんだろうか?」とか、「なんで私は新しい職場でややこしい人間関係に巻き込まれるんだろうか?」といった投げかけに対して、好意からうかつに本音を漏らし、不興を買ったことは一度や二度ではありません。

今回のTさんのケースでも彼女の将来を思えば伝えたいことは沢山ありますが、やはり通り一遍の対応をせざる得ないでしょう。

派遣社員Tさんへのフィードバック

「わかりました。やっぱり派遣社員っていう働き方が合わないんだと思うので辞めたいと思います」

少し間を空けてからTさんが呟くように言うのでした。

「自分が派遣社員になってみてわかったんですけど、やっぱりこの働き方は良くないと思います」

・・・今度は何を言い出すつもりでしょうか?

「うちの職場は派遣社員の人ばかりですけど、みんな口を開けば文句か悪口ばかり言っているし、その割に仕事をしないし、良くしようっていう工夫もしないし・・・」

「そういうマインドの人だから派遣社員になったのか、派遣で働いているからそういうマインドになったのか・・・」

「なんにしてもこのままここで派遣で働いていると自分がダメになりそうです」

辞めると決めたら本音が出てきたようです。やはり私が感じていた通り、彼女自身に一番派遣に対する差別意識が強かったのです。

それが良いかどうかは別として、毎日自分の働き方を否定しながら仕事をするというのもそれなりにストレスがたまることでしょう。

派遣会社の営業担当という立場としては彼女の極端な意見に苛立ちも感じますが、頭ごなしに否定をしても何の意味もないことです。

「・・・そうですか、Tさんのお考えなので否定も肯定もしませんが・・・」

「私はこんな仕事をしているので、そんな言い方をされると少し悲しいですね・・・」

ずいぶん薄めたはずの私の苛立ちを敏感に感じ取ったのか、Tさんが遠回しの反論をしてきます。

「派遣の営業って、あんなわがままばかりの派遣の相手していて大変ですよね」

「まぁ、今回私も同じ穴のムジナってやつなんでしょうけど」

これ以上Tさんと話をしても時間の無駄というものでしょう。

「・・・Tさん、話がそれてすみませんでした。それでは退職のご希望をいうことなんですが、具体的な今後のスケジュールを相談させてもらえますか」

話を退職の実務に反らし、問題解決のクロージングにかかるのでした。

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