【続編15】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】仕事ができすぎる派遣社員Tさんが気に食わない派遣先担当者B課長からのクレーム対応

【続編15】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】仕事ができすぎる派遣社員Tさんが気に食わない派遣先担当者B課長からのクレーム対応

私の担当派遣社員としてD社で就業を開始した30代女性の派遣社員Tさんは、非常に優秀で前向きかつ自発的に仕事に取り組み、就業開始早々ながら業務改善や業務効率化では社員以上の成果をあげる人物。

本来であれば派遣先からその働きへの評価や称賛があって然るべきですが、指揮命令者であるB課長はなぜか正しく評価をしてくれず、関係は悪くなるばかりです。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

 

対応経緯

D社では自分の思うように働くことができないと見切りをつけた途端に「自分が派遣社員になってみてわかったんですけど、やっぱりこの働き方は良くないと思います」とか「このままここで派遣で働いていると自分がダメになりそう」と派遣という働き方に悪態をつき始めたTさん。

やはり彼女自身が一番この働き方に差別意識を持っていたようです。

しまいには「派遣の営業って、あんなわがままばかりの派遣の相手していて大変ですよね」と私にまで絡み始める始末。

少し偏りはあるものの、その前向きな姿勢や高いスキルを私になりに評価しているつもりだったのですが買いかぶりすぎだったということでしょう。

これ以上彼女と話をしても何も良い結果を生み出さないばかりか、余計なトラブルの種を生み出しかねません。

ご本人の退職の意思を尊重して、粛々と必要な手続きを案内したのでした。

派遣社員Fさんからの後日談

Tさんと同じ職場に勤めている当社のベテラン派遣社員Fさん。Tさんが退職をした数週間後に別件で面談をしたのでした。

用件を済ませて雑談をしているとFさんが口を開きます。

「そうそう、大変だったわねぇTさんの件、辞めたら辞めたで」

「えっ?なにがです?」

すっかり終わった出来事として捉えていたこともあり、身に覚えのない投げかけに少し戸惑います。

「え?本当に知らないの?じゃぁB課長、あなたになにも言ってないんだぁ・・・まぁ確かにそうするかなぁ・・・」

「ちょっとFさん、勿体ぶらないでくださいよ・・・何があったんですか?気になるじゃないですか」

Fさんの話ぶりからしてトラブルであることは間違えなさそうですから、思わせぶりなFさんの口ぶりに少し苛立ちを覚えます。

「いえね、Tさんかどうかわからないんだけど、Tさんが辞めてすぐのタイミングでD社の社長宛に投書があったんだって」

「それがB課長を名指しで批判するような内容で、『仕事に工夫がない』とか『変化を恐れて部下からのアイデアをもみ消す隠蔽体質』とかメチャクチャ書かれてたらしいの」

・・・内容とタイミングからしてTさんに違いありません。なんで退職した後までそんな余計なことをするのでしょうか・・・

「えぇ!?・・・なんですか、それ・・・それって匿名の投書ってことですよね?Fさんなんでその内容知ってるんですか?」

Fさんは少し椅子を引いて私の方に近づき、ヒソヒソ声で話します。

「私この会社、長いじゃない?前の上司だった課長が今、人事部の課長やってるのよ。この前飲みに行った時にたまたまそんな話をポロッと聞いてさ」

社長宛の匿名の投書のような怪しげな代物は秘書室なり人事部なりで事前にチェックされ、直接社長本人に届くようなことはありません。

今回のTさんからと思しき投書は怪文書の類ですから、おそらく社長までは届かず人事部で止まったことでしょう。

Fさんの話によると、投書の内容を確認した人事部はB課長を呼び出し、「こういった内容の匿名の投書があった」というフィードバックをしたそうです。

「内容を真に受けるわけではないが、何があっては心配なので伝えておきます」というスタンスだったようですが、B課長からすれば会社から自分への評価に傷がつく大きな出来事という受け止めのはずです。

当事者であるB課長の部下のFさんにそんな話を漏らす人事課長というのはいかがなものかと思いつつも、回り回って事前に情報を掴めたことは幸いでした。

B課長の配下にはFさんをはじめとして数人の当社の派遣社員が就業しており、今後のB課長との関わりで、能天気な受け答えをして地雷を踏むことを避けられます。

匿名の投書であったこと、すでにTさんは退社をしていることからB課長は私に何も言って来ないのでしょうが、心情的には私に対しても良い印象を抱くはずはなく、しばらくは空気を読みながらの対応を心がけなければいけません。

私の本音

Tさんのようにいわゆる「派遣慣れ」していない派遣社員が、明確のようで明確でない「派遣」という仕事の領域を巡って派遣先とすれ違いを起こすことは稀に発生するトラブルです。

契約上の業務内容という明確な線引きはあるものの、派遣先の担当者によって良くも悪くも拡大解釈されがちですから、今回のように派遣社員側が自分の仕事の範囲や取り組み姿勢について相談をしてきてくれた時には、まずは派遣社員の側に立ち、派遣先を調整していくというスタンスを基本姿勢にしています。

そこで起きるのが今回のように「派遣社員側がやり過ぎであった」というパターン。

派遣社員だけの話を鵜呑みにせず、裏を取りながら対応をしていかないと思わぬしっぺ返しを喰らうことになります。

派遣先と派遣社員の間に立つという仲介業の営業マンは何事にもバランス感覚が重要なのです。

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