【続編④】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】一体誰が指揮命令者なの!?派遣社員Sさんのトラブル対応

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私の担当派遣社員としてK社で働き始めた30代男性の派遣社員Sさんですが、「X社に派遣されているはずが、その取引先のY社の社員から指揮命令を受けていてどうにかしてほしい」という相談がありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

 

対応経緯

派遣社員Sさんからのヒアリングを終え、派遣社員としてX社に派遣をされながら、X社への発注元であるY社のD課長から直接指揮命令を受けているという「違法」な状態を解決するために問題解決を進めていきましょう。

Sさんを取り巻く環境は少し特殊なため、改めて整理をします。

  • X社はY社から業務を請け負っている
  • X社は自社の社員2名と複数の派遣会社から集めた派遣社員10名でプロジェクトチームを作り、業務にあたっている
  • プロジェクトチームは発注元であるY社の中に間借りしている
  • Sさんは当社からX社のプロジェクトチームに派遣されている
  • SさんはX社の社員から指揮命令を受けて業務を行う立場である

派遣先X社 Kリーダーとの打ち合わせ

「Kリーダー、お忙しいところお時間を頂きましてありがとうございます」

KリーダーはY社内に常駐するX社のプロジェクトリーダーです。40代前半で少し恰幅の良い優しそうな印象の人物。

少し話がまどろっこしいのが難点ですが、気さくに話しかけられる人柄で、Sさんが就業を開始するにあたっては色々と段取りをしてくれ、お世話になっている人です。

「先日当社のSと面談をしまして、そのフィードバックをさせて頂きたくてお伺いしたのですが・・・」

「Sさん、何か言ってました?」

私の話にかぶせるように質問をしてきます。やはりKリーダーもY社のD課長とのことを気にしてるのでしょうか?

「・・・え、えぇ、仕事自体は順調にやらせて頂いているようなんですが、どうやら御社への発注元であるY社の方から直接お声かけを頂く機会が多いようで少し戸惑っていました」

Sさんの話によると「Kリーダーは自分のことを良く思っていないかもしれない」ということでしたから、その原因であろうD課長絡みの話は慎重にアプローチをしていった方がいいでしょう。

「Sさん、どんなニュアンスで話してました?」

どうやらKリーダーも探り探りアプローチをしてくるつもりのようです。

ここは言葉を慎重に選ばなければいけません。Kリーダーがどこに重きを置いて問題を捉えているのか?ということです。

想定できるのは次の2つです。

  1. Sさんへの指揮命令がX社の社員ではなく、直接的に関係のないY社のD課長から行われていることに対するコンプライアンス的な懸念
  2. D課長に軽んじられていることが周知の事実となっている中で、一番関連が強いSさんが自分のことをどのように言っているのか?という懸念

Kリーダーの問題意識がどこにあるかわかることで、今後の対応方法が変わりますし、何よりKリーダーの人間性を読み取ることができるのです。

1のコンプライアンス的な見地であれば、Kリーダーが今のプロジェクトをうまく回せていないながらもある程度の大局観を持って物事を見ることができるということがわかります。

逆に2の自らへの評価という見地であれば、彼が目先の状況に一杯一杯であることがわかります。

もともと外部の私からしても、「話がまどろっこしく結論を出さない」という印象がある中で、目先に一杯一杯となれば、彼に何も期待することはできません。

「いえ、淡々と状況を話すだけで、何か意見みたいなことはありませんでした」

「なにか含みのあるような話し方だったので気になって掘り下げたんですが、あまり明確な回答はなく・・・」

「私の受け止めとしては、御社への発注元であるY社のどなたかからSに対して指示をするというような状況があるのかな?と考えたんですが、そんなことはありますか?」

KリーダーがSさんに対して個人的な悪感情を持っていることを懸念して、あえて「Sさんがこう言っていた」ではなく「Sさんの話ぶりから私はこう推測したが、そういった事実はあるか?」と、アプローチを工夫します。

「・・・そうですか。いえね、最近Y社のD課長という方がSさんを気に入ってしまったみたいで結構声をかけるみたいなんですよ」

「D課長がSさんに指示をするってことはないと思いますけど、Sさんにとっては話しかけられてもどうしたらいいかって感じだと思います」

「本来、私が全面に立って対応しなきゃいけないんですけど、このD課長がなかなかクセのある方でしてね・・・」

私が投げかけたY社からSさんへの直接の指揮命令という問題はサッとかわされてしまいました。

まだ裏を取れているわけではありませんし、この場では問題提起をしただけで良しとしましょう。

Kリーダーは少しトーンを落として話し続けます。

「私の勘違いなのかもしれないんですけど、他のメンバーから聞くに、どうやらこのD課長とSさんが一緒になって私を貶めようとしているみたいなんですよ」

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