【続編⑩】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】一体誰が指揮命令者なの!?派遣社員Sさんのトラブル対応

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私の担当派遣社員としてK社で働き始めた30代男性の派遣社員Sさんですが、「X社に派遣されているはずが、その取引先のY社の社員から指揮命令を受けていてどうにかしてほしい」という相談がありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

 

対応経緯

派遣先X社で発注元の会社内に常駐するプロジェクト案件を取りまとめる営業企画部のボスG部長と、終始その存在に怯えるKリーダーとの打ち合わせはなかなか印象的な商談でした。

その打ち合わせのあと、すぐに電話で派遣社員Sさんに状況を説明します。

  • 派遣先X社の責任者であるG部長に、プロジェクト内での指示命令関係が正常に行われていないことを明確に伝えた
  • コンプライアンス的なリスクがあるため、早急に対策を行なって欲しいと依頼した
  • G部長より早急に然るべき対策を行うと返答を受けた
  • 目先の具体策はY社のD課長からSさんへの直接の指揮命令をなくすことである

Sさんは私が伝えた内容に納得をしてくれ、数日後にまた様子を伝えてくれるという約束をしてくれました。

あとはG部長が発注元であるY社に対してどれだけ早く的確なアプローチをしてくれるかということです。

派遣先G部長との再戦の前に

それから3日後、G部長から「打ち合わせがしたい」とのメールが入ります。

何か進展があったに違いありません。当日の午後にお伺いすると返信をします。

営業企画部のボスであるG部長相手に、なんの情報もなく、徒手空拳で向かうわけにはいきません。

Sさんに電話で連絡し、現場の状況を確認します。

「Sさん、お忙しいとことすみません。今日このあとG部長のところに訪問することになったんですが、その前に現場の様子を確認しておきたくて」

「あ、すみません。連絡すると言っていたのにできていなくて。あの後、Y社のD課長からは直接指示されることはなくなりました」

Sさんは私に状況を報告する約束をしていたことを思い出したのか、お詫びまじりに答えます。

「いえいえ、うまくいっているようでしたらよかったです」

「そうするとY社のD課長は、これまでのようにKリーダーに指示を出してるんですか?」

当社の派遣社員であるSさんに、直接指揮命令関係のないY社のD課長から指示が飛ばなくなったことは何よりですが、あれだけKリーダーにダメ出しをしていたD課長が素直に言動を正してくれるとは思えません。

「・・・いや、それがD課長がKリーダーを無視しているのは相変わらずなんですよ」

「まぁ、もともとY社がX社に逐一口を出すような契約じゃないから、なにも言ってこなかったとしても問題ないといえばないんですが・・・」

「これまで半分暇つぶしに細かい所まで口を出してきていたD課長なんで、なんか不気味といえば不気味ですね・・・」

ここでもう一度今回の環境や背景についておさらいをしておきましょう。

  • X社はY社から業務を請け負っている
  • X社は自社の社員2名と複数の派遣会社から集めた派遣社員10名でプロジェクトチームを作り、業務にあたっている
  • プロジェクトチームは発注元であるY社の中に間借りしている
  • Sさんは当社からX社のプロジェクトチームに派遣されている
  • SさんはX社の社員から指揮命令を受けて業務を行う立場である

すべてが建前通りに行われていれば、コンプライアンス的になんの問題もないのですが、問題の根源は次の2つとなります。

  1. 契約関係を無視して直接の契約関係にない当社の派遣社員Sさんに指揮命令を行うY社のD課長
  2. 発注元のY社のD課長をコントロールすることのできないX社のKリーダー

先日のG部長との商談では、この2つの問題の解決をお願いしたつもりです。

抜かりのないG部長のことですから、発注元のY社とのやり取りではD課長への抗議だけでなく、そういった状況に至る原因となったプロジェクトマネジメントの問題をどのように解決するのかといった「おみやげ」くらいは用意してから交渉に臨んでいることでしょう。

Sさんからの情報では、そのプロジェクトマネジメントの問題解決は見えません。G部長との再度の打ち合わせでは、この辺りも確認していかなければいけないでしょう。

派遣先G部長との再度の打ち合わせ

Sさんからの事前の情報収集を終え、G部長との打ち合わせが始まります。今日はKリーダーはおらず、一対一の商談です。

「G部長、早速のご対応ありがとうございました」

「当社の派遣社員Sから状況を聞いているのですが、Y社のD課長からの直接の指示はなくなったと聞いていまして、安心いたしました」

G部長がわざわざ私を呼びからには何か理由があるに違いありません。

このクラスの役職の人物が派遣会社の営業担当に「こういう対応をしてこうなったよ」といった結果を伝えるためだけに時間を作るとは思えないのです。

そして呼ばれた理由は私にとって望ましものではないはずです。持って回ったような長ったらしい話をされるよりは、いきなり結論から話してもらったほうが気が楽というもの。

そのためにもSさんから聞いている現状をいきなりぶつけてみました。

「・・・そうですか、それはよかった。じゃぁSさんがお困りの状況は解決されているんですね」

そしてG部長は少し間を開けてから口を開きます。

「それでね、今日お越しいただいた用件というのは、Sさんを当社に欲しいってことなんですよ」

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