【派遣会社で働く営業担当のための基礎知識】派遣会社営業担当に必須のスキル、担当者の気持ちを察して怒られる技術

派遣会社で働く営業担当のための基礎知識】派遣会社営業担当に必須のスキル、担当者の気持ちを察して怒られる技術

派遣業界はクレーム産業

派遣業界はクレーム産業、なぜクレームやトラブルが多いのか?対処法は?の記事でもお伝えした通り、働きやすさを重視して派遣を選び、与えられた仕事を淡々と行うというスタンスの派遣社員と、自分たち正社員と同じ感覚で仕事をしてくれると思っている派遣先担当者の認識の違いからトラブルが起きやすく、お互いからの不満が派遣会社営業担当に対してクレームという形で表現されるので、構造上、どうしても派遣業界はクレーム産業になってしまいます。

派遣社員は、嫌なら辞めればいいとか、派遣会社なんていくらでもあるというような発想の方も多く、昨今の義務を果たさなくても権利だけを主張できる風潮も相まって好きなことばかり言ってきて、派遣会社営業担当の頭を悩ませます。

が、かたや派遣先の担当者は、色々なしがらみで、我々派遣会社営業担当に言いたいことが言えていないケースがあるのです。

派遣先担当者のしがらみとは?

「お金を払っている立場なのに言いたいことが言えないなんて」とイメージしづらいのですが、派遣先担当者にも次のようなしがらみがあって、当社から派遣した派遣社員を非難したり、派遣会社にクレームを入れられなかったりする状況が生まれます。

  • その派遣社員が就業を開始する際の意思決定に自分も関わっており、「人を見る目がない」と言った周りからの評価を恐れ、表立って派遣社員に対するクレームを入れられない
  • その派遣社員が就業を開始するにあたって、上司が関与していて表立って派遣社員に対するクレームを入れられない
  • その担当者だけが、その派遣社員の評価が低く感じている場合に、周りの目を恐れて派遣社員に対するクレームを入れられない
  • 上司の指示で派遣会社を選んでおり、上司の手前、派遣会社にクレームを入れられない
  • その派遣社員がすぐに感情的になる人物で、悪い評価が派遣会社経由で本人の耳に入ったら過剰反応することが懸念され、職場が荒れることを恐れて派遣社員に対するクレームを入れられない

少し考えただけでも意外とケースとしては多そうです。

経験上、こういった派遣先担当者の不満をそのままにしておくと、何も注意されない派遣社員が「こんなもんでいいのか」と徐々に調子に乗り、軌道修正ができないレベルまで行ってしまうことが多いのです。

結果として、なんらか重大なトラブルになり、その時点で派遣先担当者から

「実は前からあの派遣社員はこうだった」

なんて話とともに、

「これだけのトラブルを起こしたのだから、即刻終了させて明日から寄越さないでくれ」

などという、営業担当として交渉や調整の余地もない状況に陥ったりします。

では、どうしたらいいのか?

大切なのは派遣先担当者とフェイストゥフェイスで会う機会を増やし、予兆を掴むということです。

しがらみに縛られて正面切って派遣会社に苦情を言えないケースでは、商談時の次のようなタイミングに注意を払う必要があります。

  • 派遣社員の職場での様子や仕事ぶりを尋ねる質問をしたときに、正面切って悪くは言わないまでも、皮肉めいた言い方をしていないか?
  • ロビーから会議室までの間の雑談で、ポロっと派遣社員に関する愚痴めいたことを言っていないか?
  • 派遣社員を「よくやってくれている」など、ポジティブな評価を口にしながら、我々営業担当に対する態度が意味なく冷たかったり、気になる点はないか?

人間、不満に思っていることを、本来不満を訴えるべき相手に行えなかった場合、よっぽど辛抱強い人でもない限り、なんらかのサインを出すものです。

不満のサインを見つけたらどうするか?

派遣先担当者の不満のサインを感じ取ったら、いたずらに正面切って聞いてはいけません。

相手は言ってはまずいので、そのようなサインで表現しているのであり、相手の立場を考えた聞き方のコツがあります。

  • 先ほど、〇〇様がおっしゃった「仕事もろくにしないのに、長いこと働いているからって偉そうにしてるやつもいるけど」という話なんですけど、社員様は皆さん3年周期で異動されるので、ひょっとして派遣社員のことですか?
  • 先ほど、〇〇様がおっしゃった「女性同士のトラブルにかかわるのは骨が折れる」って話ですが、確か〇〇様の部署は男性社員しかいませんから、ひょっとして派遣社員同士のトラブルですか?

聴き方は様々ですが、遠回しに核心に近づいて、向こうから話しやすい環境を作るのがコツです。

相手が「ここだけの話だよ・・・」とポツリポツリと話し始めたら、先々の突然の大トラブルの芽を摘んだも同然です。

最後の仕上げに必要な「怒られる技術」

派遣先担当者が不満に思っていることを話してくれたとしても、そもそも色々なしがらみで私に話せなかったわけですから、根本解決は難しいことがほとんどです。

そうなると、「聴いただけ手間が増えて損するだけじゃないか!!?」と考える方もいらっしゃると思いますが、それは早計です。

大切なのはその担当者から不満を聞き出し、それについて謝罪し、一生懸命解決のためのアイデアを出して、場合によっては無駄と知りつつもなんらか対応もした、という事実なのです。

解決できないような不満を漏らすというのは、要するに愚痴です。

自社の派遣社員に対する派遣先担当者の愚痴を聞き出し、それに対して精一杯怒られてあげる、このプロセスが大事なのです。

この一連の技術を、私は勝手に「怒られる技術」と呼んでいます。

考えてみてください、出入りの業者に気軽にしがらみめいた愚痴を言いますか?

ここまで人間関係を作れたら、この派遣先担当者はある意味私のファンです。

派遣社員のことで私に不満があるはずなのに、のちのち色々と助けてくれることも期待できます。

実際に私はこの方法で次のようなメリットを感じています。

  • 一連のやりとりの中で、自分のことをわかってくれていると感じてくれているので協力的
  • トラブルになったときに助けてくれたり、助けになる情報をくれる
  • 他の担当者を紹介してくれ、別の受注につながる

つまり、潜在的な不満を、あれこれ手間をかけて顕在化させ、愚痴を聞いてあげたくらいで終わっている話なのに、のちのちの様々な営業効率が上がるのです。

損して得取れとは、まさにこのことでしょうか。一度お試しください。

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