【続編③】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】「仕事が全くない」と嘆く派遣社員Pさんのトラブル対応

【続編③】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】「仕事が全くない」と嘆く派遣社員Pさんのトラブル対応

←前編①   ←前編②   →続編④

→続編⑤   →続編⑥   →続編⑦

→続編⑧   →続編⑨   →続編⑩

→続編11  →続編12 →続編13

→続編14  →続編15 →続編16

私の担当派遣社員としてF社で働き始めた30代女性の派遣社員Pさんですが、「全く仕事がなくて毎日何をしていいのか困っている」という相談がありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

 

対応経緯

「全く仕事がなくて毎日何をしていいのか困っている」という派遣社員Pさんへのヒアリングで次のようなことがわかりました。

  • 頼まれ仕事がメインのため、複数の社員がPさんに仕事を頼むという環境で、全体的なPさんの業務内容や業務量は管理されていない
  • 定型業務がないため、Pさんには職場での基礎的なルールや社内システム操作などを学ぶ機会がない
  • 仕事を頼む側からすると、Pさんに1から仕事を教えることになってしまい、かえって時間がかかることから仕事を頼むことを躊躇する環境になってしまっている
  • Pさんに仕事がないほとんどの要因は派遣先にあるようだが、自ら仕事をもらいに行く姿勢やわからないことでも自分で調べてやってみるといっった主体的な考えが薄いPさんの仕事に対するスタンスにも問題がありそう

派遣営業は「労働力の仲介業」ですから、一方だけの意見で物事を判断すると痛い目を見ることが多いのです。

ここは派遣先にもきちんと考えを確認して対応に当たりましょう。

派遣先G課長へのヒアリング

「課長、すみません、お忙しいところお時間を頂いて」

G課長は40代半ばの男性、細身の体躯ながら引き締まった印象で、表情も自信に溢れています。

他の部署の担当者から聞いた話では同じ課長という役職でも等級上は頭ひとつ抜けていて、近々部長になるであろうという下馬評で、要するに出世頭ということでしょう。

そんな評価と比例して、彼の日常は忙しさを極めているようで電話をしてもメールをしてもなかなか捕まえることができません。

今日はやっとのことでとったアポですから、今回の打ち合わせで問題解決の道筋をつけてしまいたいところです。

「いぇ、大丈夫ですよ。すみませんね、こっちが忙しくてなかなか時間を取れなくて」

「確か御社から派遣されているPさんの件でしたよね?事前にメールでご相談内容は頂いていましたが・・・」

G課長のような忙しくて、しかも頭の切れる人には「ご相談があるのでお時間が頂きたい」といった漠然としたアプローチではなかなか相手にしてもらえません。

解決したい問題があるから会いたいわけですから、事前に簡潔にポイントをまとめてメールをしておいたのでした。

「えぇと、それでPさんが仕事がなくて困っているという話でしたっけ?」

「部下にも事前に状況を聞いておいたんですけど、あなたからのメールの通りで、確かに部下たちはPさんに仕事を頼むのを躊躇してるみたいですね・・・」

仕事ができると評判の課長だけあって、出入りの業者である私のメールをきちんと読み解き、部下にまでヒアリングをしてくれたようです。話が早い。

「はい、先日は不躾なメールをお送りして申し訳ありませんでした」

「メールに書かせていただいた問題点はあくまでPの一方的な主張であって、全てが正しいわけではないと思っていますし、彼女と話をする中で少し仕事に対するスタンスが受け身すぎるかなと感じるところもありまして・・・」

「今日はそちら様の見解を含めて、今後どのように対応をさせて頂いたらよいかご相談をさせて頂きたいと思ってお伺いしました」

経験の浅い派遣営業はついつい派遣社員から言われた主張や苦情をそのまま正しいものと、もしくはある程度正しいということを前提に派遣先と対応してしまいます。

しかしよく考えてみてください。いくら「派遣先はこうあるべきだ」とか「指揮命令者はこうしてくれなきゃおかしい」と言ったところで相手も人間なのです。

痛いところを痛くなるように指摘すれば嫌がりますし、感情的にだってなります。

問題解決をしにきたはずが、派遣先と派遣営業の間で新たな感情的な問題が起こり、そしてその悪感情は職場で働く派遣社員にまで影響する・・・そうなってしまっては間に立つ立場の者などいない方がマシなのです。

明らかに派遣先に非があったとしても、両者の間に立つ立場をうまく利用して客観的な物言いをしたり、遠回しな物言いをしたり、他の派遣先であった事例として例え話を絡めたり・・・色々な話法を使って派遣先に自ら非を認める発言をしてもらう。

そのようなアプローチによって後々の調整が楽になってくるのです。

「そうですか。うちとしてはPさんには続けてもらいたいと思っていますよ」

「そのためには我々が彼女に何をしてあげればいいと思いますか?」

まれに遭遇する派遣先から問題の解決策を求められるケース。

G課長は私を試しているのでしょうか?それとも純粋に客観的な答えを求めている?

どちらにしてもここでポイントを外した返答をすると後々のやりとりに影響を及ぼしそうです。

←前編①   ←前編②   →続編④

→続編⑤   →続編⑥   →続編⑦

→続編⑧   →続編⑨   →続編⑩

→続編11  →続編12 →続編13

→続編14  →続編15 →続編16