【続編⑧】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】「仕事が全くない」と嘆く派遣社員Pさんのトラブル対応

【続編⑧】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】「仕事が全くない」と嘆く派遣社員Pさんのトラブル対応

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私の担当派遣社員としてF社で働き始めた30代女性の派遣社員Pさんですが、「全く仕事がなくて毎日何をしていいのか困っている」という相談がありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

 

対応経緯

「全く仕事がなくて毎日何をしていいのか困っている」というPさん。派遣先G課長、社内の情報通を自称するS係長からの情報収集を終えて、この件に対する私のスタンスは「派遣先に職場環境の改善を求める」ということに固まりました。

中立的な立場であるべき派遣営業ですが、そこはやはり本音と建前というところで、お金を頂いている派遣先はお客様。

「派遣先に職場環境の改善を求める」とは言っても、言い方を一つでも間違えると、その力関係から正しいか正しくないかを別にして強硬な反応をされることも多いのです。

また、その影響は派遣先で働く派遣社員にも悪影響をもたらすことも多く、派遣営業は派遣先と派遣社員両者の温度感を確かめながらグラグラと揺らぐ一本橋の上を不安定な姿勢で渡り歩いていくようなところがあるのです。

改めてG課長と折衝をするにあたって、事前にPさんと打ち合わせをし、私がG課長に対してどのような対応をしようと考え、それによってどのような反応が予想され、派遣先で働くPさんにどのような影響となるのかを説明しなければなりません。

また、私の話を聞いてPさんがどのような反応や考えをするのかによって私のG課長への話し方の強弱も決まってくるのです。

派遣社員Pさんとの打ち合わせ

「Pさん、たびたびお時間を頂いてすみません」

「先日ご相談を頂いた全く仕事がなくて困るっていう話なんですが、あの後G課長とも話をしたので、そのご報告と今後についてのご相談でお時間を頂いています」

私から何を言われるのだろうかと疑心暗鬼なのか、Pさんは少し身構えた様子です。

「仕事が全くないという理由は次のように理解しているんですが間違っていないですか?」

  • 頼まれ仕事がメインのため、複数の社員がPさんに仕事を頼むという環境で、全体的なPさんの業務内容や業務量は管理されていない
  • 定型業務がないため、Pさんには職場での基礎的なルールや社内システム操作などを学ぶ機会がない
  • 仕事を頼む側からすると、Pさんに1から仕事を教えることになってしまい、かえって時間がかかることから仕事を頼むことを躊躇する環境になってしまっている

私からの投げかけにPさんは「合っています」と頷きます。

「私としても納得がいったので、言い方は少し変えましたが、G課長にそのままお話をして職場環境の改善を求めたんです」

「G課長は私の話を『うんうん』と聞いてくれていたんですが、ひとしきり話し終えると『それはそれとして、こちらとしても言い分があるのですが』というような調子で切り返されたんです・・・」

「ちょっとお話しづらいんですが、言われたのが『Pさんの仕事に対しての意欲』みたいな話だったんです・・・」

「要するに仕事を頼む側の社員からすると『Pさんに頼みづらい』というようなことを言いたいんだと思うんですが、Pさん、そんなことないですよね?」

Pさんには私がG課長から言われたことをほぼそのまま伝えたことになります。派遣先と派遣社員の間に立つ立場からすれば、本来であればもう少しオブラートに包んだ言い方をするものです。

ただ、「仕事が全くない」という現実に毎日直面している派遣社員Pさんと、自らの職場環境の問題の非を全く認めず、原因はPさんの仕事に対する意欲が低いからだとする派遣先G課長の主張は全く折り合いがつく余地がありません。

明日以降事態が好転する要素も全くないのに、間に立つ私が両者からのボールを持ち続けていてもなんの根本解決にもならないばかりか、Pさんからは「今日も状況が変わらない、派遣会社はなにも対応してくれないのか?」と疑念を持たれ、G課長からは「Pさんの仕事に対する姿勢は改善されない。どうなっているのか?」と、どんどん手詰まりになっていくだけ。

多少賭けにはなってしまいますが、ここはそれぞれに対してボールを打ち返し、お互いが全く違い主張をしていることを強く認識してもらうしかないのです。

一時的には私への風当たりは強くなるのでしょうが、そこを乗り越えてしまえば、私はお互いの主張を調整することに集中することができます。

つまり派遣先と派遣社員の間に立って物事を調整するような仕事を行う立場の者は、「両者の主張の矛盾を自分の手もとに置かない」ということが何より重要なのです。

「F社の社員からPさんに仕事を頼みづらいと言われているんですが、心当たりはありますか?」と一見、私がPさんを非難するような話の運びにも当然意味があるのです。

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