【続編⑨】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】「仕事が全くない」と嘆く派遣社員Pさんのトラブル対応

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私の担当派遣社員としてF社で働き始めた30代女性の派遣社員Pさんですが、「全く仕事がなくて毎日何をしていいのか困っている」という相談がありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

 

対応経緯

派遣社員Pさんとの打ち合わせ

「仕事を頼む側の社員からすると『Pさんに頼みづらい』というようなことを言いたいんだと思うんですが、Pさん、そんなことないですよね?」

自分に仕事が回ってこないのは、そもそもその仕事の内容が社内システムやルールの習熟を前提としており、入社して2週間の自分には教えてもらわなければやりようがないと主張しているPさんからすれば心外の一言でしょう。

「そんなことないです!仕事を頼まれたらお受けしたいですし、自分としても仕事がないのはつらいので、断ったりしてません!なんでそんなこと言われなきゃいけないんですか!?」

Pさんには珍しく感情的に反論をしてきます。それはそうでしょう。G課長がそのような発言をしたこともさることながら、散々状況を説明して味方になってくれると思っていた私から自分の仕事ぶりを疑うような質問をされたのですから。

「・・・いえ、Pさん、私もG課長の話なんて真に受けてません」

「G課長はPさんのおっしゃる『仕事がPさんに回ってこない原因』については反論しませんでした」

「つまりはPさんに仕事がない原因は間違っていないのに、Pさんの仕事への意欲の問題に話をすり替えられたと思っています」

「私もその場で反論したかったんですが、一点だけ気になっていることがあって反論しきれなかったんです」

「以前Pさんと話をした時に『Excelで表作成とか集計とか頼まれるけどExcelがあまり強くないのでお断りしてる』っておっしゃってたじゃないですか?あれが本当だとすると、確かに意欲を問われはするなと思ってまして」

ハッとした表情のあとに、Pさんは少し考えたあと、ポツポツと答え始めました。

「・・・あれはたった1回の話です。大量のデータが入ったExcelデータを渡されて集計しろって言われて」

「私のExcelのスキルが弱いのも悪いのかもしれませんけど一つ一つのデータの意味合いもわかりませんし、安易に仕事して間違えるのが怖いなって・・・」

「その時もやり方を細かく聞こうとしたら『あんまり教える時間がない』って言われて、その仕事を引っ込められちゃったんです」

注意深くPさんの話を聞いていた私は、その話ぶりや表情から、Pさんの話に真実と嘘の両方が含まれていると感じます。

PさんへのExcel絡みの仕事の頼み方は雑なもので、教えることがセットになっていなければ正確に遂行できるものではなかったが、Pさん自身もExcelへの苦手意識から断りベースで話を運んだのであろうということです。

「そうですか・・・わかりました」

「あと、私から一つお詫びがあるんです」

Pさんは少し怪訝な表情をしています。

「実は色々と調べる中で、どうやらPさんのポストは数年勤められた方が辞められた後に、半年くらいの間に数名の派遣社員が入れ替わっているみたいなんです」

「G課長からは事前にそんな話を聞いていなかったので、お伝えできませんですみませんでした」

私が頭を下げると、Pさんは答えます。

「それは聞いてます。2、3人派遣社員がすぐ辞めたって・・・まぁ終わった話なんてで仕方ないですね・・・」

「私はPさんの話を信じるので、もう一度G課長に職場環境の改善を求めようと思っています」

「ただ、先日のG課長の反応や、ここ半年で数名の派遣社員の入れ替わりがあったということを考えると、少し苦戦するのかなと思っていまして、Pさんのお考えを確認しておきたかったんです」

「つまりPさんが順調に仕事をして頂ける状況に持っていくまで時間がかかりそうですし、今現在Pさんの主張と先方の主張が大きくすれ違っていることを考えると、お互いの考えがある程度一致するまで色々と職場で働くPさんにも影響がありそうだなって思ってまして・・・」

Pさんは少し考えた後に答えます。

「・・・少し時間がかかってもここで仕事を続けたいです。自宅から近くて通いやすいですし、いま仕事を失うわけにもいかないので」

ここまでのやり取りでの私の狙いは次のようなものです。

  • 仕事が回ってこない原因についてG課長にPさんの主張を伝えるも、論点を「Pさんの仕事への取り組み姿勢」と言った漠然としたものにすり替えられ、お互いの主張が全く噛み合っていない状況であることを共有する
  • G課長の言う「Pさんの仕事への取り組み姿勢」についてはPさんのExcelを使う業務への苦手意識という点で的外れとまでは言えず、こちらの弱みであることを共有するとともに、この件でのPさんの今後の職場での応対に釘を刺す
  • 問題解決に時間がかかりそう、つまり仕事が回ってこないという状況はすぐには変わらないことを念押しする
  • 派遣先に職場環境改善の指摘をしていくことにより、職場で働くPさんに何かしらの影響が懸念されることを共有する
  • そのような懸念の中で、今後もPさんが就業を続けたいのか否かの意欲を推し量る

だいたい狙い通りの打ち合わせとなり、Pさんの温度感を明確に掴むことができました。いよいよG課長と再戦です。

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