【続編11】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】「仕事が全くない」と嘆く派遣社員Pさんのトラブル対応

【続編11】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】「仕事が全くない」と嘆く派遣社員Pさんのトラブル対応

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私の担当派遣社員としてF社で働き始めた30代女性の派遣社員Pさんですが、「全く仕事がなくて毎日何をしていいのか困っている」という相談がありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

 

対応経緯

派遣先G課長との再度の商談

派遣社員Pさんに仕事が全く回ってこない状況はそちらの職場環境の問題だと指摘した私に「・・・そうですか、Pさんの仕事ぶりには全く問題がないというご理解なんですね?」と答えたG課長。

前回は唐突に「Pさんの仕事に対する意欲が低い」と反論を突きつけられ、満足な切り返しができませんでしたが、今回は事前に万全の情報収集を行なっています。

まずはジャブとしてこの話から。

「このポストではPの前にも数名短期間で退職をしていると聞いておりまして・・・私はそんな話は初耳だったものですから・・・」

そもそもPさん個人のスキルや資質の問題だけであれば半年という短い期間に数名の派遣社員が入れ替わるはずはありません。

前回気持ちよく持論を話させた挙句にいきなり梯子を外してきたG課長を警戒して、情報の材料的には有利な状況ながら、あえておずおずと下手に話を切り出していきます。

「・・・なんですか、それは?頻繁に派遣社員が入れ替わっているからウチに問題があって、Pさんは悪くないっておっしゃりたいんですか?」

語調は淡々としていますが、珍しくG課長が気色ばんでいるのがわかります。

私からすれば「逆ギレ」としか言いようがありませんが、想定した範囲内の反応です。相手からの反論を必要以上に恐れて言葉を選びすぎてはいけません。

相手が感情的になれば少しづつ本音が見えてくるのです。

G課長のような冷静沈着なタイプの方は、会社人としての処世術の一つとして戦略的にそのようなキャラクターを自ら演じているような場合も多い。

つまり少し感情を出してもらわないと、こちらの攻め手の取っ掛かりが見えてこないのです。

そのために相手の反論を恐れず、意識的に少し刺激を与えるような発言をするのです。

「いえいえ、そんなことを申し上げたいわけではないんです」

「そういった状況があったのであれば、それなりの理由があったはずですから、その理由をお伺いした上で人選をすることができたなと考えただけです」

そして反論に対して、すべてを謝罪してはいけません。

相手の本音を引き出す、こちらからの攻め手の取っ掛かりを掴むための投げかけだったわけですから、さらにG課長が発言をしなければいけない仕掛けをするのです。

G課長に言い負かされてしまった前回の商談での私の敗因は「情報不足」と「しゃべり過ぎ」です。

問われるがままに良かれと思ってPさんの仕事量が少ない原因とその対策をペラペラと話してしまった。

G課長を悪くいうつもりはありませんが、世の中善意に溢れた人ばかりではありませんし、善意に溢れた人でも自分に都合が悪ければそれなりの対応をするものです。

「いかにG課長に話をさせるか」それが今回の商談のポイントなのです。

「・・・理由ですか?それは派遣社員の方それぞれでしたよ。ご自身の体調ですとか、ご家族の問題ですとか・・・」

派遣会社の営業担当が辞めていく派遣社員の退職理由をバカ正直に派遣先に伝えることはあまりありません。

半年という短い期間に就業が難しいほどの体調不良や、ご家族の問題が複数人にわたって起こることは考えづらいですから、建前として伝わった退職理由なのでしょう。

何かしら不満がなければ自ら退職を選ぶ派遣社員などいませんから、業務内容や職場環境が事前に聞いていた話と違ったり、人間関係が悪かったりと、何かしら後ろ向きな理由があったはずです。

「そうでしたか・・・半年の間に何人も人が入れ替わっては現場の皆さんも大変ですものね・・・」

話の流れの中で実際に派遣社員に仕事を頼む社員たちがどのような受け止めをしているのか探ります。

「まぁそうですね・・・ころころ人が入れ替わっているので、そろそろ安定させないといけないですね・・・」

G課長はいつもの淡々とした調子を取り戻しつつも、問いかけまじりの私からの投げかけに少し警戒しているようです。

「そうですよね。仕事を教える側からすると、せっかく仕事を教えてもころころ人が入れ替わると、また教えなきゃいけないと徒労感が強まりますしね・・・」

徐々に話を本題に戻していきましょう。

「そうですね・・・繁忙期も近づいているのでそろそろ決着させなきゃいけないとは思っているんです」

さて、核心に近づいてきました。ここからG課長の本音を掴むため、質問をかぶせていきましょう。

「Pの件なんですが、いかが致しましょうか?色々とご指摘は頂いたところなんですが、本人はやる気はあるようですし、私も長期就業のために微力ながらサポートをさせて頂きたいと思っているんですが・・・」

G課長の本音を掴むべく、できるだけG課長に話をしてもらうことを念頭に、工夫をしながら質問を重ねてきました。

ここまでは順調に話をつなげ、「繁忙期を目前に派遣社員の入れ替わりによって雑務が手離れせずに疲弊する社員をサポートするために、どのように派遣社員の定着を図るのか」という課題感を共有することができたのです。

では具体策としてPさんをどうしたいのか?G課長にはそのことに言及してもらわなければいけません。

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