【続編15】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】「仕事が全くない」と嘆く派遣社員Pさんのトラブル対応

【続編15】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】「仕事が全くない」と嘆く派遣社員Pさんのトラブル対応

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私の担当派遣社員としてF社で働き始めた30代女性の派遣社員Pさんですが、「全く仕事がなくて毎日何をしていいのか困っている」という相談がありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

 

対応経緯

派遣先G課長への交渉開始

「何でそんなことになるんですか!?Pさんに仕事を与えるためには社内システムやルールを知る必要があるって言うから、わざわざ社員を一人つけたんですよ?」

G課長の言い分もわからなくはありません。ただ、G課長からの指示を受けて育成を引き受けたK社員はPさんをほったらかしです

それだけでなく「Pさんの育成担当はK社員」という大義名分を得た他の社員たちは全くPさんに関わらなくなり、Pさんはますます孤立して全く仕事のない状況に。状況はさらに悪化しているようです。

「社員様からはPの育成は順調というお言葉だったようですが、Pからは全く逆の報告がありまして・・・」

「その社員様、K様ですか・・・その方はかなりお忙しい方のようで、ほとんど接点を持てないようなんです」

「他の社員の皆様も『Pの育成はKさん』という認識のようで、今まで以上にお声掛けを頂くことが減ったようでして・・・」

「結果としては以前よりも仕事がないという状況になっているそうです」

私からの話を憮然とした表情で聞いているG課長。

「そうなんですか?ずいぶん聞いている話と違うなぁ」

「やはりPさんの意欲というか、周りとの関わり方の問題なんじゃないんですか?」

「あんまり派遣社員の人の話ばかり鵜呑みにしないで、雇用主である派遣会社としてきちんと指導してもらわないと困りますよ!」

ずいぶん憤った様子です。

「・・・お気に触るような言い方をしていましたら申し訳ありません。ただ、いくら本人に問題があるとおっしゃられましても、私が接している限りPさんはコミュニケーションが取れない人ではありませんし・・・」

「そんなPに改善の取り組みをして頂いた後も、良くなるばかりか前よりも状況が悪くなったと言われれば、全く見当違いなことを言っているとも思えませんで・・・」

「実際、どうなんでしょうか?この派遣のポストは必要なんでしょうか?」

「Pの前任の方も複数お辞めになっているようですし、Pは入社してからそろそろ1ヶ月経ちましたが、仕事が全くないと言っているような状況ですし・・・」

「派遣社員も結構なコストがかかりますし、いらっしゃる社員でなんとかなっているなら、わざわざ派遣をお使いにならなくても良いと思うんですが、なにかこのポストを残しておく理由でもあられるんでしょうか?」

G課長からの批判を正面から否定した上で、「そもそもこの派遣のポストはいるのか?」という根本的な問いかけをします。

「・・・そんなことはあなたには関係ないでしょう」

そんな質問をされると思っていなかったのか、答えもないまま押し黙ってしまいます。全面的に対決姿勢となってしまいました。

ここまでのやり取りは売り言葉に買い言葉での成り行きではなく、当然狙いがあってのことです。
  • 私にはG課長との取引継続の意思がない
  • Pさんは契約満了を前倒しして退職したいと言っている
  • Pさんが前倒しで退職をした後に、残る契約期間を盾に、G課長から後任の派遣社員の要請を受ける懸念が強い
  • G課長から当社を見限ってもらうよう、批判に対して不必要にへりくだることはせず、言うべきことを言う

つまり「今後取引するつもりもないので、売られた喧嘩は買うし、こっちからも喧嘩を売っていく」ということです。

普段でしたら、こちらから気を使って沈黙を埋めに行きますが、私は押し黙ったまま。痺れを切らせたG課長が口を開きます。

「・・・それでPさんはどうされたいと言っているんですか?」

G課長から折れてきました。さて、どう返しましょうか。

「いえ、G課長、Pがどうしたいというよりも・・・」

「当社として今回のPのポストは1人分のお仕事として成り立っていないと考えてまして、このままの状況なのでしたら、Pは引き上げさせて頂いた方がよろしいのかなと考えているんです」

「仕事がないのに派遣社員を派遣し続けるというのも、御社にもPにも不誠実ですし・・・」

G課長がワナワナと身を震わせながら抗議してきます。

「なんですか、それは?御社の判断でPさんを引き上げるってことですか?じゃぁ契約はどうなるんですか?」

私はわざと冷静に淡々と言葉を返します。

「Pにはできるだけ契約期間満了まで勤めてもらおうと思っていますが、全く仕事もない中で職場に居続けるのも辛いでしょうから、都度本人と相談しながらと考えています」

「仮に契約期間満了までお勤めすることが難しいようでしたら、残る期間を繋ぐ別の人材を用意して派遣をさせて頂きます」

「今の状況を理解して、それでも契約期間満了までは勤められるという人材を責任を持って人選させて頂きます」

人材派遣の建前的には全く問題のないコメントですが、G課長からすれば私が居直り、喧嘩を売ってきたとしか思えない返答でしょう。

「そもそもこのポストは先々数年という長い期間やって欲しいという前提でお願いをしているんですよ!そこをお考えなんですか?」

G課長は抗議のニュアンスを少し変えて打ち返してきました。派遣社員が早期で退職をする時に、派遣先からよく言われる「年単位の就業を前提にしていたのに」というクレーム。どう切り返していきましょうか?

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