【続編16】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】「仕事が全くない」と嘆く派遣社員Pさんのトラブル対応

【続編16】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】「仕事が全くない」と嘆く派遣社員Pさんのトラブル対応

私の担当派遣社員としてF社で働き始めた30代女性の派遣社員Pさんですが、「全く仕事がなくて毎日何をしていいのか困っている」という相談がありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

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対応経緯

「そもそもこのポストは先々数年という長い期間やって欲しいという前提でお願いをしているんですよ!そこをお考えなんですか?」

全く仕事がない状況に変化が期待できないことで、契約期間満了よりも前に退職したいというPさんの希望を叶えるためにG課長との交渉を開始したのでした。

淡々とした口調ながら、ベテランの派遣営業である私も苦戦のする切り返しをしてくるG課長。あまり迂闊なアプローチはできません。

「Pさんが契約よりも前に辞めたいと言っている」といえば、G課長は「Pさんからの職場環境改善の要求を受けて、しばらく特定の社員のアシスタントとして育成を兼ねて仕事に慣れるといった取り組みをしたのに、またわがままを言うのか?やはりそもそものPさん自身の仕事への取り組み姿勢に問題があるのではないか?」と論点をずらしてくるに違いなのです。

そこで考えたのが「派遣会社として今回のポストは1人分の稼働がないので派遣社員を引き上げさせてもらう」というアプローチ。

G課長が「契約を守れ」と言って来たとしても、そもそも事前に聞いていた業務内容と業務量と相違があり、「そもそもそちらが契約を守っていない」とキレ返すということです。

さらには「Pはそちらが誤って依頼した業務内容・業務量で人選をしたミスマッチな人材であるから、契約満了まで人が必要であれば、現状に見合った人材を派遣し直す」と居直ります。

先々取引停止になっても構わないという前提があっての対応ですが、さすがにこのようなアプローチをしてくる派遣会社はいなかったのか、G課長は怒りに震えて反論をして来たのでした。

さて、この「長期で働いてもらう前提で依頼をしたのに!」というクレーム、どのように切り返したらいいのでしょうか?

G課長との交渉開始

「はい、もともとはそのようにお聞きしていましたが、現状を見るに長く仕事を続けさせて頂けるような状況ではございませんし・・・」

「それに長期での就業をご希望でしたら、年単位の長期のご契約を頂きませんと・・・」

ここまで来ると喧嘩をすること前提の売り言葉に買い言葉ですが、「長期で派遣社員を定着させたいなら、3ヶ月更新のような短期間の契約ではなく、少なくとも年単位の契約をしてください」と切り返します。

派遣社員が先々安定して就業できるような環境であれば営業らしく「ご期待に添えず申し訳ありません」くらいのポーズはとりますが、職場環境の問題を他責にし、派遣先の雇用のリスク・コストを最小限に抑えた人材派遣という仕組みで3ヶ月という短期間の契約しかしないくせに契約期間以上の結果を期待するなんてずいぶん都合の良い話です。

「御社ではそういう考えで当社と取引をされているんですか!?」

建前として間違った事は言っていない私に、理屈に沿った反論ができなくなったのか、今度は会社としての取引姿勢を問うような問いかけをしてきます。

「そういう考えと申しますと・・・私は営業担当ですからご依頼頂いたお仕事がうまく回るように派遣先様と派遣社員の間に立って物事を調整しているつもりなんですが・・・」

私からの話が終わるのを待たずにG課長が言葉をかぶせます。

「違いますよ。御社は派遣社員の言いなりになって、なんでも派遣先の責任にするって事です」

ずいぶん極端なことを言い始めました。

「・・・そのように受け止められてしまったのでしたら申し訳ありませんが、今回のPの件につきましては両者のお話をお聞きした上でできるだけのご提案はさせて頂いたつもりです」

私の本音

はなから売られた喧嘩は買うつもりでしたが、予定どおりG課長とは物別れに終わってしまいました。

いくら文句を言ってもスタンスを変えない私に、G課長も諦めたのかPさんの契約途中での退職を了承し、残りの契約期間を繋ぐ別の人材の要求はありませんでした。

きっとこれまでの派遣会社ともこのように物別れを繰り返してきたのでしょう。

第1話でもお伝えしたように「全く仕事がない派遣ポスト」にはいくつかお決まりの原因があります。

【派遣社員に原因があるケース】

  • 派遣社員のスキルやモチベーション、勤怠などに問題があり、仕事を任せることができず、結果暇を持て余すことになってしまうケース

【派遣先に原因があるケース】

  1. マネジメントに問題があり、派遣社員の業務内容や業務量を把握できておらず放置しているケース
  2. 派遣社員1人分の業務量がないことを知りながら、「部下の人数が多いことは上司のステータスだ」と人数だけ囲っておきたいと契約を継続しているケース
  3. 派遣社員1人分の業務量がないことを知りながら、「せっかく派遣社員1人分の予算を取れているのだから、このまま維持しておいた方がいい」と契約を継続しているケース
  4. 業務量は少ないながらも専門性があり、その派遣社員のスキルや経験値を逃したくなくて契約を継続しているケース
  5. 顧客との契約の中に「専用の事務局対応をする人員を1名配置する」などの約束事があり、業務量が少なくても人を配置しておかなければいけないケース

今回のケースは派遣先に原因があるケースの1、2、3の複合的な要因だったように感じています。

最後の最後になって恐縮ですが、長年の派遣営業の経験からすると「全く仕事がない派遣ポスト」の改善は難しく、できるだけそのような案件は避けること、どうしても対応をしなければならない場合は、その状況を受け入れてくれる人材を派遣するということくらいしかないのです。

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