【派遣会社で働く営業担当のための基礎知識】大量増員や大量欠員補充を成功させるための派遣会社との関わり方は?

派遣会社で働く営業担当のための基礎知識】大量増員や大量欠員補充を成功させるための派遣会社との関わり方は?

大量募集を成功させるための派遣会社との関わり方は?

「○月スタート 20名の大量募集!!同期が沢山いて安心!!研修もバッチリ♪」よく見かける大量募集案件ってどうなの?では、求職者側から見た大量募集案件の見極め方や応募の際のポイントなどについてご紹介をしました。

今回は視点を変えて、コールセンターや事務センターの採用担当者が新規立ち上げでの大量増員や大量欠員補充をする場合に、派遣会社との関わり方という視点で、どのようにしたら成功するのか、注意すべきポイントなどについてご紹介していきます。

募集の理由によって違う派遣会社との関わり方

募集の理由によって派遣会社との関わり方、発注の出し方が変わってきます。

求職者向けの記事と同じく募集の理由については次の3つを想定しています。

  1. 新規にセンターをオープンするための大量募集案件
  2. 時期的繁忙対応のための増員募集案件
  3. 退職者の欠員補充のための大量募集案件

新規立ち上げでの大量募集の際の派遣会社との関わり方

アウトソーサー(コールセンターなどの立ち上げ・運営を受託する専門会社)の社員でももない限り、頻繁に新たなセンターの立ち上げに関わることはないと思います。

いわば、慣れない作業であり、自分達のノウハウだけでなんとかできるものではありません。

とくに大人数の人集めをする場合、昨今の売り手市場の労働マーケットでは求人広告を出しただけで集めきれるものではなく、その道のプロに任せてしまうほうが費用対効果も良く、センター立ち上げ成功への近道になります。

直営とアウトソーシングのどちらが正解か?

新規にコールセンターや事務センターを立ち上げる場合、2つの選択肢が想定されます。

  1. 直営
  2. アウトソーサーに立ち上げ〜運営までアウトソーシングし、管理業務のみ自社で行う

直営でもアウトソーシングでも、数百名規模のセンターの人員を自社で集め切るのは至難の技です。

大量の人員を採用する場合、頻繁な求人広告出稿に関わる手間や費用の社内決済、求人にある程度の条件は設けるものの、次々に送られる応募書類や問い合わせの電話、書類選考、面接の設定の電話・メールでのやり取りなど、対応に忙殺されます。

私は地方都市で300名の事務センター立ち上げに携わり、採用の責任者をしていましたが、立ち上げまでの3ヶ月間にやりとりした応募者は1000名を超え、4名体制で対応しましたが、毎日深夜まで仕事をしていても追いつかないほどでした。

直営の場合はもちろん、アウトソーサーでさえも、採用は専門外ですので、どちらにしても大量募集の際の人員確保は派遣会社にお鉢が回ってきます。

人材確保の側面だけで見れば、次の理由で直営をした方が理にかなっています。

  • アウトソーサーが間に入る分、コストがかかり、人材募集時の時給が下がる
  • 人材の質はお金次第なので、時給が低ければそれなりの人材しか集まらず、のちの運営に支障をきたす
  • コストや人材確保の困難さから、発注元の考える人材像を下回った人材が集まり、のちの運営に支障をきたす

ただ、アウトソーシングをすることにより、アウトソーサーの立ち上げ・運営ノウハウを活かすであったり、運営にかかる自社の社員数を減らすといった意味では、アウトソーシングにも大きな価値があるのです。

新規立ち上げの場合の派遣会社利用のメリット

コールセンターや事務センターの新規立ち上げでは、直営にせよ、アウトソーシングにせよ、派遣会社の力を借りることは必須です。

主な理由は次の通り。

  • 人材派遣というサービスは、派遣社員が就業開始しない限り費用が発生しないという成果報酬型であり、求人広告に比べて費用対効果が明確
  • 派遣会社は派遣社員を集めるための求人広告の出稿、求職者の書類選考や面接など、多額の先行投資と稼働をかけるが、派遣先はその結果としての派遣社員の紹介を受けるのみであり、人材確保のためのコスト・リスクが最小限で済む
  • 派遣会社側で、派遣先の要求する人材要件にある程度沿った派遣社員を紹介してくれるため、自社で採用活動をするのに比べ、労務コストが最小限で済む
  • アルバイト・パート・契約社員など、直接雇用した場合に、それぞれの社会保険料や雇用保険料、有給休暇の引き当てなどのソーシャルコストが発生するが、派遣社員の場合は請求金額に含まれており、派遣会社が負担するため、追加コストがかからない
  • 社会保険や雇用保険、有給休暇等々の人事的事務処理のほとんどを派遣会社側で対応するため、労務稼働が最小限で済む
  • 派遣契約は業界慣習で3ヶ月更新であることが多く、雇い止めの問題さえ注意すれば3ヶ月単位で人員数の増減の調整、派遣社員の仕事ぶりの良し悪しによる入れ替えが可能

コールセンターや事務センターの新規立ち上げ時の人材確保で、人材派遣を利用することはメリットがほとんどで、デメリットらしきものはありません。

新規立ち上げの場合の派遣会社との関わり方

新規立ち上げ時で、100名単位の大量募集をする場合には派遣会社との関わり方にコツがあります。

  1. リスク分散のために複数の派遣会社に発注をかける
  2. 仮に100名の募集であった場合、1社に50名、もう1社に50名と人数を約束して発注を行う
  3. 両社で人数を約束することにより、派遣会社にとってはコミットとなり、派遣先は人材確保に見通しが立てられる
  4. 途中都度、進捗確認を行うことで人材確保に目鼻がつく
  5. 派遣会社にとってはコミットではありつつも、人数が確約されているため、プロジェクト化した際の収支計算ができ、社員の割り当てや求人広告の費用など準備が容易になる

いわゆるWINWINの関係というのがセンター立ち上げ成功のポイントです。

私の勤める派遣会社では、直営の大量募集案件はもちろん、アウトソーサーからも大量募集案件の打診を受けますが、アウトソーサーからの案件は、積算が甘くて、そもそも発注元との契約金額が安すぎたり、業務委託範囲があやふやで、後々業務が増えて収支が悪化したりと水ものであることが多く、私の経験としては直営のセンターとのお取り引きの方がうまくいくなぁという感想です。

時期的繁忙対応のための大量募集での派遣会社との関わり方

コールセンターでは新規サービスの立ち上げや、製品のリコールなど、一時期にお客様からの問い合わせが集中するケースがあります。

また、事務センターでは年度末を控えて大量の契約処理を人海戦術で行わなければいけないなど、処理量が一時期に増えるケースがあります。

いずれも現状の人員数では到底まかなうことができないとなった場合に、繁忙時期のみの増員を行うことになります。

時期的繁忙の場合の派遣会社利用のメリット

時期的繁忙対応での増員の場合も派遣会社を利用することは大きなメリットがあります。

基本的なメリットは前述しましたので、時期的繁忙での大量募集の場合に限ってのメリットについてご説明します。

  • 製品のリコール対応でのコールセンターの立ち上げなど、急に大量の人員が必要になった場合でも、ある程度の経験やスキルのある派遣社員を確保することができる
  • 年度末を控えての大量の契約処理のための大量増員といった毎年恒例の募集の場合は、派遣会社側で前回就業をしてくれた派遣社員をグリップしておいてくれるため、一定割合の業務経験者を確保することができる(派遣会社側は経験者は時給を上げるなどの工夫をして繋ぎ止めを図っている)

時期的繁忙の場合の派遣会社との関わり方

こちらも基本的な派遣会社との関わり方は、前述した通りですが、時期的繁忙の場合、就業期間が短いため、派遣会社側は人選の際にいくつか気を使うポイントがあります。

  • 就業期間(雇用契約期間)が30日以内の場合、派遣法により日雇い派遣に該当し、派遣会社が派遣社員に収入要件を確認するなどの手間が発生し、人選がスムーズに進まない
  • 就業期間(雇用契約期間)が2ヶ月を超えると社会保険(厚生年金・健康保険)の加入の対象となり、例えば2ヶ月半という期間は、社会保険の事務処理という視点から見たときに、「ご主人の扶養から抜けて、すぐに就業が終わり、またご主人の扶養に入り直す」といった派遣社員側の手間が発生するため、オファーをしてもなかなか受けてもらえない
  • 期間限定というと、扶養内希望の派遣社員にオファーすれば良いと安易に考えがちだが、103万円の壁といった社会保険上の収入計算は1/1〜12/31で計算するので、年末に近づくほど収入が上限に近づいているケースが多く、扶養内希望の派遣社員を活用できないケースも多い

繁忙時期は、人選的なハードルを加味して訪れるわけでもありませんので、あくまで参考情報とはなりますが、期間限定の人選はケースによっては思いのほか苦戦することも多く、「短期だから気楽に働こうと、人は集まるだろう」と言った楽観視は危険です。

退職者の欠員補充の際の大量募集

大量に募集するほど人が辞めているわけですから、何かしらの原因があるわけで、派遣会社としては欠員補充の大量案件となると対応を尻込みします。

派遣会社の営業担当が懸念するのは次のような点です。

  • 大量に欠員が出るということは、職場環境や業務内容、人間関係、マネジメントなど、なんらかの問題があるわけで、その課題認識はあるのか?また、その解決はなされているのか?
  • 離職率が高い職場は、業務内容がストレスフルであることが多く、その環境で残るべき人が残っているが、往々にしてそう言った人が人間関係悪化の起点になっているケースが多く、ギスギスした職場になっていないか?
  • コールセンターや事務センターは管理職の社員数名に他は全員派遣社員といった普通の職場と違った環境であるケースが多く、社員の独断専行で強硬なマネジメントが行われていて職場環境が悪化したり、逆に気弱な管理職の管理が行き届かず、派遣社員の好き放題になっているような職場もある。そう言ったマネジメントの効いていない職場になっていないか?

他にも懸念点はいくつかありますが、欠員補充で大量募集を定期的に行なっているセンターの場合、上記の懸念点のいずれにも当てはまるというケースも多いのです。

欠員補充で大量募集を繰り返すセンターの採用方針とは?

そういった離職率の高いセンターの場合、センター運営上の課題点の根本的な解決が難しいか、解決の能力がないため、以下のような採用方針を取りがちです。

  • 結局誰が続くのか辞めるのかわからないので、来るもの拒まず、採用ハードルはほとんどなしに人を入れてみる
  • その後の研修やロールプレイング、着台判定(定期的に行われるオペレーションのテスト)などで様子を見て、良い悪いを見極め、契約期間の切れ目で入れ替えを図る
  • 就業開始をしても、ある程度の人数が退職することを前提としているため、実際には50名のオペレーターが欲しいが、100名採用するといった採用計画をする

つまり、欠員が出たので補充を行うのに、離職率が高い課題解決をしないので、離職を前提とした採用計画や育成計画を行うようになり、いよいよ自転車操業が常態化する、という悪循環に入っているわけです。

離職率が高いセンターと、派遣会社の関わり方

派遣会社にとって、毎月のように欠員補充で大量募集をしているようなセンターとの付き合いには覚悟がいります。

  • せっかく求人広告費用や、人選のための労務コストをかけても、就業開始してすぐに退職してしまうので費用対効果が悪い
  • 先方が「誰でもいいから入れて、ふるいにかけて、残れる人だけ残ればいい」といった荒い運用をしているので、それにつられて人選が甘くなってしまい、トラブル要素の懸念のある派遣社員を就業させてしまい、のちに案の定トラブル化し、解決に非常に時間がかかるといったマッチポンプ的な運用に陥ってしまう

特にアウトソーサーによって運営されているセンターは、少ない社員で、外部人材である派遣社員をマネジメントしているケースが多く、余裕のなさからどうしても荒っぽい運営になりがちです。

さらには受託時の積算が甘かったり、歴史の長いセンターでは当時の買い手市場の雇用情勢を前提に作られており、費用的に余裕がなく、良い人材が集められないために、いよいよジリ貧といったケースを散見します。

困っているお客様にお答えしたい気持ちもありますが、人材派遣というサービスが人を扱う仕事である以上、あまりにも劣悪な環境に派遣社員を派遣するのもためらわれ、よっぽどのことがなければ、欠員補充で大量募集を繰り返しているようなセンターとはお取引をしないようにしています。

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