【続編⑤】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】勤怠や交通費を水増し請求する派遣社員Dさんのクレーム対応

【続編⑤】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】勤怠や交通費を水増し請求する派遣社員Dさんのクレーム対応

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派遣先B社で外回りの営業職として半年働いてくれている30代男性の派遣社員Dさんですが、「営業成果が悪いだけでなく、営業報告書に矛盾が多く、仕事をサボっているのではないか?」との派遣先からクレームがありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

対応経緯

派遣社員Dさんとの面談

営業成績不振の原因を尋ねたところで、彼の口から出たのは「育成が不十分」「与えられた営業先が不公平」といったコメントでした。

この手の「いいわけ」は言い出したらキリがなく、同じ営業職である私にだって私なりの言い分があります。

それでも営業マンは皆、自分に与えられた条件のもと必死に営業活動を行い、なんとか成果を出しているのです。

仮にその不振の原因がDさんのいう通りであったとしても、「その人なりの努力の爪痕」は残るはずで、ブラック企業でもない限り、営業マンを束ねる管理職は成果だけでなく、そういったプロセスも重視します。

今のうちにDさんのこの「いいわけ」を潰しておかないと後々尾を引きそうです。

「そうですか・・・育成が不十分で、リストが不公平だと・・・」

Dさんから目線を少しずらして、私は半ば独りごとのように小さく呟きました。

「いや、なんか言い訳にしか聞こえないかもしれないですけどね」

私の言葉のニュアンスから何かを察したのか、Dさんは少し気まずそうにフォローの言葉を入れます。

「まぁでも、私も営業ですから、言いたいことは分かりますよ」

「異動で新しい営業所に行くと、最初は数字作るのに本当に苦労しますからね」

「どうしても新しい営業が着任するってなると、余り物みたいなお客さんしか回ってこないし」

私の言葉に助けを得たのかDさんは「そうですよね」と頷きます。

「まぁ、でもそこで営業として見せなきゃいけないのは、その与えられた条件でどんな営業努力をしたかってことだと思っているんですよね」

「そういう意味だと、どうです?営業活動に苦戦をされている中でDさんなりにどういう努力をされているのかなって聞きたくて」

ここで急に答えを求められたDさん、少し焦った様子です。

「いゃ、私も自分でネットで調べたりとかしてなんとかやっているんですよ・・・」

「あと、お客さんから断られても商品を変えて手を変え品を変えといったトークを心がけてます」

Dさんの答えが「その人なりの努力の爪痕」かは分かりませんが、営業成績の不振の原因を「育成が不十分」「与えられた営業先が不公平」とする他責から、自責に引き戻すことはできました。

さて、ここからが勝負です。

「それでですね。そのDさんの成果をあげるための営業活動の中身なんですけど、W課長から色々と指摘がありまして、ちょっと確認させてほしいんです」

少し身を乗り出していう私に、Dさんは少し身動ぎして「・・・はい、なんですか?」と答えます。

「毎日提出されている営業報告書なんですけど、私も現物を確認させてもらったんですが、同じ報告が何回もされていたり、訪問先として書かれているお客さんなんですが、移動時間を考えたら到底回りきれないだろうなぁという矛盾が目立つんですよ」

Dさんの表情は見る見るこわばり、緊張した面持ちです。

「・・・ぇ、いや、それは書き間違いですよ・・・」

苦しいいいわけにしか聞こえません。

「書き間違えにしては件数が多すぎますし、それでは営業報告になってないですね・・・」

このままで話を終えてしまっては、「営業報告書を正しく書かなかったことに対する注意」だけで終わってしまいます。

「例えば昨日なんですが、10時●社→13時●社→14時●社→15時●社の4社に訪問してしたとなっているんですけど」

「例えばこの13時に商談なんですけどね、ここでの商談ってどれくらい時間がかかったんですか?次の14時のお客さんって、最寄り駅まで30分くらいかかるし、駅から徒歩20分はかかるみたいだから、13時からの商談は10分くらいしかできないことになるんですよ」

私に詰め寄られてイラついたのか、Dさんは少しふてくされた様子で答えます。

「そこは資料をお渡ししただけなので、10分程度で話が終わったんです」

「そうなんですか、営業報告書だと、商談は30分かかって、X商材とY商材について提案をしたって書いてあるんですけど」

すでに昨日書いた営業報告書の内容も忘れてしまっているのか、Dさんは上ずった声で答えました。

「いや、ですから、それは私の勘違いで書き間違いです・・・」

私はDさんに息つく暇を与えません。

「そうですか、ではW課長にそれは訂正の報告をしておいた方がいいですね」

「あと、14時の商談をどれだけ短く終えても、15時の商談のお客さまの場所には間に合わないと思うんですが、これはいかがですか?」

「それは私の勘違いです。その会社は行っていないです」

「Dさん、昨日の営業報告書だけ見ても色々と矛盾がありましてね」

「お一人で営業に出るようになった、ここ4ヶ月間の営業日報について一緒に全て見直しをさせて頂いてもよろしいですか?」

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