【続編⑦】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】勤怠や交通費を水増し請求する派遣社員Dさんのクレーム対応

【続編⑦】【派遣会社営業担当のクレーム対応報告】勤怠や交通費を水増し請求する派遣社員Dさんのクレーム対応

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派遣先B社で外回りの営業職として半年働いてくれている30代男性の派遣社員Dさんですが、「営業成果が悪いだけでなく、営業報告書に矛盾が多く、仕事をサボっているのではないか?」との派遣先からクレームがありました。

その際の経緯や対応について、営業日報形式でご紹介します。

派遣会社営業担当が、どんな事を考えて問題解決をしているのかがお分かり頂けます。是非ご覧ください。

対応経緯

Dさんと膝を突き合わせ、過去4ヶ月間の営業報告書をもとに報告の矛盾を検証していく中で、かなりの件数の架空の営業訪問が見つかりました。

これにより業務怠慢と移動交通費の架空請求を突きとめることができたのです。

ただ、行ってもいない営業先をなぜ営業報告書に記載したのか?ということについては「勘違い」と言い張ります。

事実は変わりませんが、本人が意図して行なったと認めたのか認めないのかによって対応も変わるのです。

この面談の最後の目的である、架空の営業報告と交通費請求が悪意を持ってなされたのかどうかについて確認していきましょう。

派遣社員Dさんとの面談

「Dさん、結果として架空の営業報告による業務怠慢と移動交通費の不正な請求という事実に変わりはないんですが、その原因が『勘違い』っていうのは件数からして苦しいなぁと思っているんですよ」

「実際、これだけ『勘違い』があるとなると通常業務に支障があるんでは?という話になりますし・・・その辺はどうお考えですか?」

私からどんどん外堀を埋められていよいよ苦しくなったのか、Dさんは居直った調子で答えます。

「勘違いだと言ったら勘違いですよ!他になんて言えばいいんですか!?誘導尋問ですか、これは!?」

相手が逆上したときに大事なのは冷静でいることです。相手の感情に巻き込まれず、勤めて冷静に問答を繰り返すことで、相手が尻尾を出してくるのを待つのです。

「いえ、誘導なんてしていませんよ。逆になにか後ろ暗いことでもあるんですか?」

「ないですよ!!そんなこと!!」

私が淡々と答えるのが間に触るのか、Dさんはますますヒートアップしていきます。

「そうですか、Dさんの勘違いだったということはわかりました」

「そうすると、結果としてしての虚偽の営業報告と、訪問していたとする勤務時間の業務怠慢、交通費の不正請求については認めるものの、それは勘違いで起こってしまったという理解でよろしいですね?」

「そうです!!」

この手の話し合いでは、後々の言った言わないを防止するために都度これまでの両者の認識を確認するコメントを入れる様にしています。

ここで確認のコメントを入れたのは次のような理由からです。

  • Dさんは「勘違い」によって間違った営業報告を行い、それに伴い正しくない交通費請求をしたことを認めた
  • ただ、Dさんの「勘違い」という言い訳をそのままにしておくと、後々不正を追及したときに「勘違いだった」の一点張りで逃げようとすることが懸念される
  • 「勘違い」だったかどうかを論点にして感情的に主張するDさんに、一旦はこちらが引くかたちで本人の主張を認めたと見せかけ、油断をしたDさんに「勘違いがどうかは別として、結果として虚偽の営業報告と訪問していたとする勤務時間の業務怠慢、交通費の不正請求を行なった」ということを認めさせることを試みた
  • Dさんがうっかり「結果として虚偽の営業報告と訪問していたとする勤務時間の業務怠慢、交通費の不正請求を行なった」と認めたことにより、今後の論点を原因でなく結果ベースで主導することができる

このようなやりとりが「相手が感情的になったときに冷静に問答を繰り返すことで、相手が尻尾を出してくるのを待つ」ということなのです。

「わかりました。そうすると理由は別にして虚偽の営業報告と業務怠慢、交通費の不正請求があったということを前提に今後を考えていきましょう」

「これだけ不正行為があると、私も派遣先にお詫びをする事しかできませんで、なかなか先々について話ができないなと考えているんですが、Dさんは今後のB社での就業をどうお考えなんですが?」

急に論点が変わってDさんは少し驚いた様子です。

「いや、私は続けたいですし、今後はこれまでみたいな勘違いでご迷惑をおかけしないようにしたいと思っているんですが・・・」

「Dさん、さっき確認をさせて頂いた通り、事実として虚偽の営業報告と業務怠慢、交通費の不正請求があったので、その原因がなんであろうと、派遣先とはまずその点が議論になると思っているんです」

Dさんは私との会話の中でうかつに同意をしてしまったことに気がついたのか、慌てた様子です。

「いやでも勘違いでしてしまった事ですから・・・」

30代にもなって、なにを子供みたいなことを言っているんでしょうか?

「Dさん、それは通用しませんよ。事実は事実なのできちんとしないと」

「もしB社でお仕事をお続けになりたいというなら、まずはこれまでの営業報告でどこが虚偽であって、勤務時間中に業務をしていない時間がどれだけあったのか、あと交通費の不正請求がどれだけあったのかを明らかにして、派遣先に返還すべきお金は返還しなきゃいけないと思っています」

「それを行なってきちんと謝罪した上で、先方が引き続きDさんにチャンスをくださるかどうかって事じゃないでしょうか?」

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