【続編②】【派遣業界裏事情】派遣先採用担当者向け、大量増員や大量欠員補充を成功させるための派遣会社との関わり方は?②

【続編②】【派遣業界裏事情】派遣先採用担当者向け、大量増員や大量欠員補充を成功させるための派遣会社との関わり方は?②

前回の【派遣業界裏事情】派遣先採用担当者向け、大量増員や大量欠員補充を成功させるための派遣会社との関わり方は?①では派遣先採用担当者向けに大量募集を行う際の派遣会社との関わり方について途中までお話をしました。

前回の振り返り

●大量募集には3つのパターンがある

  1. 新規にセンターをオープンするための大量募集案件
  2. 時期的繁忙対応のための増員募集案件
  3. 退職者の欠員補充のための大量募集案件

●100名単位といった大規模なコールセンター・事務センターの新規立ち上げでは、直営でもアウトソーサーに委託しても、人材確保はノウハウのある派遣会社にまわってくる

●大規模センターの新規立ち上げにおいて、人材確保に派遣会社を利用することはメリットが多く、デメリットはほとんどない

●発注は派遣会社数社に行い、それぞれに人数を割り振ることで、派遣先であるセンターは採用計画に目鼻がつき、派遣会社は収益計算ができるため、安心して社員を割り当てたり、求人広告費用を捻出することができ、WINWINの関係になれる

時期的繁忙対応のための大量募集での派遣会社との関わり方

コールセンターでは新規サービスの立ち上げや、製品のリコールなど、一時期にお客様からの問い合わせが集中するケースがあります。

また、事務センターでは年度末を控えて大量の契約処理を人海戦術で行わなければいけないなど、処理量が一時期に増えるケースがあります。

いずれも現状の人員数では到底まかなうことができないとなった場合に、繁忙時期のみの増員を行うことになります。

時期的繁忙の場合の派遣会社利用のメリット

時期的繁忙対応での増員の場合も派遣会社を利用するメリットは大きいです。

基本的なメリットは前回の記事で触れましたので、時期的繁忙での大量募集の場合に限ってのメリットは次のようになります。

  • 製品のリコール対応でのコールセンターの立ち上げなど、急に大量の人員が必要になった場合でも、ある程度の経験やスキルのある派遣スタッフを供給することができる
  • 年度末を控えての大量の契約処理のための大量増員といった毎年恒例の募集の場合は、派遣会社側で前回就業をしてくれた派遣スタッフをグリップしておいてくれるため、一定割合の業務経験者を確保することができる(派遣会社側は経験者は時給を上げるなどの工夫をして繋ぎ止めを図っている)

時期的繁忙の場合の派遣会社との関わり方

こちらも基本的な派遣会社との関わり方は、前回の記事と同様ですが、時期的繁忙の場合、就業期間が短いため、派遣会社側は人選の際にいくつか気を使うポイントがあります。

  • 就業期間(雇用契約期間)が30日以内の場合、派遣法により日雇い派遣に該当し、派遣会社が派遣スタッフに収入要件を確認するなどの手間が発生し、人選がスムーズに進まない
  • 就業期間(雇用契約期間)が2ヶ月を超えると社会保険(厚生年金・健康保険)の加入の対象となり、例えば2ヶ月半という期間は、社会保険の事務処理という視点から見たときに、「ご主人の扶養から抜けて、すぐに就業が終わり、またご主人の扶養に入り直す」といった派遣スタッフ側の手間が発生するため、オファーをしてもなかなか受けてもらえない
  • 期間限定というと、扶養内希望の派遣スタッフにオファーすれば良いと安易に考えがちだが、103万円の壁といった社会保険上の収入計算は1/1〜12/31で計算するので、年末に近づくほど収入が上限に近づいているケースが多く、扶養内希望の派遣スタッフを活用できないケースも多い

繁忙時期は、人選的なハードルを加味して訪れるわけでもありませんので、あくまで参考情報とはなりますが、期間限定の人選はケースによっては思いのほか苦戦することも多く、「短期だから気楽に働こうと、人は集まるだろう」と言った楽観視は危険です。

退職者の欠員補充の際の大量募集

大量に募集するほど人が辞めているわけですから、何かしらの原因があるわけで、派遣会社としては欠員補充の大量案件となると結構構えます。

派遣会社の営業マンが懸念するのは次のような点です。

  • 大量に欠員が出るということは、職場環境や業務内容、人間関係、マネジメントなど、なんらかの問題があるわけで、その課題認識はあるのか?また、その解決はされているのか?
  • 離職率が高い職場は、業務内容がストレスフルであることが多く、その環境で残るべき人が残っているが、往々にしてそう言った人が人間関係悪化の起点になっているケースが多く、ギスギスした職場になっていないか?
  • コールセンターや事務センターは管理職の社員数名に他は全員派遣スタッフといった普通の職場と違った環境であるケースが多く、社員の独断専行で強硬なマネジメントが行われていて職場環境が悪化したり、逆に気弱な管理職の管理が行き届かず、派遣スタッフの好き放題になっているような職場もある。そう言ったマネジメントの効いていない職場になっていないか?

他にも懸念点はいくつかありますが、欠員補充で大量募集を定期的に行なっているセンターの場合、上記の懸念点のいずれにも当てはまるというケースも多いです。

欠員補充で大量募集を繰り返すセンターの採用方針とは?

そういった離職率の高いセンターの場合、センター運営上の課題点の根本的な解決が難しいか、解決の能力がないため、以下のような採用方針を取りがちです。

  • 結局誰が続くのか辞めるのかわからないので、来るもの拒まず、採用ハードルはほとんどなしに人を入れてみる
  • その後の研修やロールプレイング、着台判定(定期的に行われるオペレーションのテスト)などで様子を見て、良い悪いを見極め、契約期間の切れ目で入れ替えを図る
  • 就業開始をしても、ある程度の人数が退職することを前提としているため、実際には50名のオペレーターが欲しいが、100名採用すると言った採用計画を行う

つまり、欠員が出たので補充を行うのに、離職率が高い課題解決をしないので、離職率が高いことが前提になり、離職を前提とした採用計画や育成計画を行うようになり、いよいよ自転車操業が常態化する、という悪循環に入っているわけです。

離職率が高いセンターと、派遣会社の関わり方

派遣会社にとって、毎月のように欠員補充で大量募集をしているようなセンターとの付き合いには覚悟がいります。

  • せっかく求人広告費用や、人選のための労務コストをかけても、就業開始してすぐに退職してしまうので費用対効果が悪い
  • 先方が「誰でもいいから入れて、ふるいにかけて、残れる人だけ残ればいい」といった荒い運用をしているので、それにつられて人選が甘くなってしまい、トラブル要素の懸念のある派遣スタッフを就業させてしまい、のちに案の定トラブル化し、解決に非常に時間がかかるといったマッチポンプ的な運用に陥ってしまう

特にアウトソーサーによって運営されているセンターは、少ない社員で、外部人材である派遣スタッフをマネジメントしているケースが多く、余裕のなさからどうしても荒っぽい運営になりがちです。

さらには受託時の積算が甘かったり、歴史の長いセンターでは当時の買い手市場の雇用情勢を前提に作られており、費用的に余裕がなく、良い人材が集められないために、いよいよジリ貧といったケースを散見します。

困っているお客様にお答えしたい気持ちもありますが、人材派遣というサービスが人を扱う仕事である以上、あまりにも劣悪な環境にスタッフさんを派遣するのも躊躇われ、よっぽどのことがなければ、欠員補充で大量募集を繰り返しているようなセンターとはお取引をしないようにしています。

前編①はこちら

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