【派遣社員として働くための基礎知識】AI・RPAといったテクノロジーが、派遣業界の仕事のありように変化をもたらし始めている

派遣社員として働くための基礎知識】AI・RPAといったテクノロジーが、派遣業界の仕事のありように変化をもたらし始めている

派遣会社にはどんな職種があるのか?

私は派遣会社営業担当として、このブログでお伝えしているような仕事をしていますが、それぞれの派遣会社によって違いがあるものの、役割によっていくつかの職種に分かれています。

営業担当

いわゆる「派遣の営業」です。仕事内容は次の通り。

  • 取引のないお客様への新規開拓営業
  • 取引のある派遣先への深耕開拓(取引を広げていく)営業
  • オーダーのヒアリング、オーダーのシステム入力、人選担当への申し送り
  • 候補者があがった後の職場見学(業務内容確認、お顔合わせともいう)の日程調整、同行
  • 両者合意となり就業開始後の継続的なお客様、派遣社員両面のフォロー
  • 派遣先や派遣社員との契約処理
  • 派遣先・派遣社員両者からのクレーム、トラブル対応

取引の始め(派遣社員のスタート)から終わり(派遣社員の退職)まで幅広く、事務処理も含め、営業担当の負荷がかなり高いことがわかります。

どうりで毎日遅くまで仕事してるはずですね・・・

派遣会社によって、仕事の仕方や仕事の幅が多少変わります。

  • ひたすら新規開拓を行う役割と、取引のあるお客様への深耕開拓を行う役割を分けるケース
  • 派遣社員の就業開始後のフォローは人選担当やフォロー担当(派遣社員のフォロー専任)に分業するケース
  • 営業ターゲットをエリアで捉えるエリアマーケティング、特定の企業や業界で捉えるアカウントマーケティングに分けるケース

人選担当

派遣会社によって呼称が違い、「コーディネーター」とか「コンサルタント」とも呼ばれます。

仕事内容は派遣会社によって幅が違います。

●必ず行う業務

  • 求人サイトやメール・電話を使っての人選活動

●派遣会社によって違う業務

  • 人選であがった候補者のプロフィールなどの作成
  • 派遣先との職場見学日程の調整
  • 派遣社員のフォロー
  • 派遣先への同行(フォローを担当している場合に、クレームやトラブル対応でスタッフの状況を説明するなど)

フォロー担当

派遣社員の就業フォローを行う役割です。

  • 派遣社員とメール、電話、面談を行なっての就業フォロー
  • 派遣社員に困りごとやクレーム・トラブルがあった場合の営業担当への申し送り

人選の仕方が変わり、人選担当の役割や、ありようが変わりつつある

このブログでは日頃、派遣会社営業担当の活動を記事にしているので、今回は人選担当の「人選」という仕事についてふれてみたいと思います。

人選とは?

人選担当による「人選」とはいったいどんな業務なのでしょうか?

  • 企業からの人材ニーズと、派遣会社に登録している派遣社員を引き合わせるマッチング業務
  • 具体的には営業担当が受注してきたオーダーの必要スキルなどの人選条件を把握し、登録スタッフのデータベースに条件付けをして検索。検索結果にあがった登録スタッフに電話やメールを通じて仕事を紹介し、その仕事に応募をしてもらう業務

これだけですと、単にデータベースに条件付けして検索をかけ、あがってきた対象者に片っ端から電話やメールをかければいいと思いがちですが、そんなに単純ではありません。

派遣業界はクレーム産業、なぜクレームやトラブルが多いのか?対処法は?でもお話をした通り、派遣社員が人材派遣という働き方を選んだ理由は百人百様です。

勤務地の近さを重視しているのか、業務内容を重視しているのか、人によって様々で、たまたま企業側の要望スキルと、その派遣社員の保有スキルが合っていたからといって、喜んでその仕事に応募してくれるわけではありません。

さらに言えば、1人の派遣社員が4ー5社の派遣会社に重複して登録していることは当たり前ですので、派遣会社側からみて企業側と派遣スタッフ双方の希望にバッチリあっていたとしても、派遣社員側から見れば数ある仕事の中のひとつであって、必ずしも優先順位が高いわけではないのです。

派遣業界は目先の数字ばかり、長く安定して働いてくれているスタッフさんに報いない姿勢は疑問の記事でもお話した通り、派遣業界は営業活動に限らず、人選という作業においても、人海戦術の労働集約型の産業であることがわかります。

時代の変化で人選の仕方、在り方が変わりつつある

20年前の派遣バブル時代の人選担当はそれはもう激務の象徴でした。

「とにかく電話をかけまくる。なにを話すか、どんな仕事を紹介するかは、電話がつながってから考える」

人選担当みんながそんなノリで派遣社員さんに電話をしまくるものですから、同じ派遣社員に複数の人選担当が矢継ぎ早に電話してお叱りを受けるなんてザラでした。

1本でも多く電話をかけて、1人でも多くの派遣社員を捕まえて、1件でも多く仕事を紹介し、1人でも多く仕事の紹介を受けてもらう、マッチングという概念は薄く、人選担当はそんな労働集約型の業務だったのです。

しかし、ここ5〜6年でしょうか、「人選」という側面から見たときに、だいぶ社会環境が変わってきました。

  • 個人が固定電話を利用しなくなった
  • 個人への連絡は携帯電話が主になり、登録している電話番号以外からの電話には出なくなった
  • スマートフォンの普及でWebサイトやSNS、メールなど文字情報でのやりとりが主になり、固定電話、携帯電話限らず、電話を利用する人が減った
  • オレオレ詐欺など電話を使った犯罪も多く、知らない電話番号への警戒心が強くなり、電話に出なくなった

つまり、初期の人間関係、信頼関係を築くツールとしての電話が陳腐化し始めているということです。

また、人材派遣業界に限らず、マーケティングの手法が高度化し、消費者は手を替え品を替え、販売アプローチを受けています。

人は「売りつけられる」ことを嫌いますが、自分からその商品に価値を見いだせば、多少高額であっても購入するというような消費行動を取ります。

ベンツに乗ってユニクロに買い物に行くというようなことですね。

ここまでのお話で2つのポイントが整理できます。

  1. 人材派遣業界における「人選」のツールが電話からWebサイトやSNS、メールなどの文字情報に変わった
  2. 消費者の目が肥えて、受け身の消費行動から、自発的な納得型の消費行動に変化した

それにより、人選の仕方や、人選担当の適性も変わりつつあります。

  • 電話を数多くかける人選担当よりも、興味を引く求人Webサイトのキャッチフレーズや、メールの件名が書ける人、つまり新たな人選ツールの特徴を掴んでいる人選担当が数多くの派遣社員を捕まえられる
  • Webサイトやメールの文面、電話でのトークに至るまで、「この仕事はおすすめですよ!」と言った売り込み型から、相手の希望や要望を踏まえ、「このお仕事はあなたにとって、こういったメリットとデメリットがあります」といった情報提供型もしくは提案型のアプローチのできる人選担当の方が成果が高まる

これまでの数で勝負をする人材から、質で勝負する人材への変革を求められているということでしょうか。

そもそも人を介して仕事紹介をする必要がなくなる?

RPAやAIといったテクノロジーを使った自動化が進めば、今のような人選担当といった「仕事の紹介を人が行う」といった在り方は必要なくなってくるかもしれません。

派遣会社に登録している人は、いつでも転職をしようと思っているわけではありません。

人によってタイミングが違うわけです。

つまり、「人選」とは派遣社員の転職タイミングを捕まえることなのであれば、そのタイミングを捕まえる確率を上げるのは、個人差のある「人力」よりも、データの積み上げ(ビックデータ)によって見出したノウハウ・経験則に従って、テクノロジーに任せ、自動化した方が良いという判断もあってしかるべきと感じます。

このように、派遣業界という人を中心としたビジネスでさえ、テクノロジーの進展によって事業運営の形を変えていくのです。

派遣会社営業担当という私の仕事も、10年後に果たしてどんな仕事のありようになっているんでしょうか?

怖いような、楽しみなような・・・

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